「ひとりひとりの戦場 最後の零戦パイロット」

odo-mikikov2015-08-24

久しぶりの映画を観に渋谷に行ってきました。チケットを購入しようとカウンターへ向かうと、列ができておりました。隣のシアターで上映する「野火」のチケットを求める人々がほとんどでした。つかもと監督の映画は画面が整理整頓されていない、あえてとっ散らかった、にんげんを汚く描くぜ的な良さが前のめりで押し寄せてくるので、クイックジャパンとか読んでいそうな若い映画好きの人々には人気なのかもしれません(完全に偏見です)。また、若者だけでなくおじさんたちもいたので原作ファンの人々も来ているのであろうと思われました。わたしにはつかもと野火は難しいので、かつて零戦に乗っていたおじいちゃんたちのドキュメンタリーを観ました。零戦おじいちゃんは零戦は凄かったけど、その凄いにかまけてダメになったんじゃと言っていたので「にんげん。」てなりました。また、母艦に戻れなくなってもう終わりだと思ったら、四角い雲が四角いかあちゃんの顔に見えてきた、かあちゃんはブスだったと言っていたので笑いました。「生きて虜囚の辱を受けず」の間違った武士道の心がたくさんの人間を無駄死にさせましたが、現在の日本人にもどこかしらその心がいまだ残っているような気がします。あぶないと思います。世の中でカッコイイとされる人々が特攻の映画などに出て、若い人々が観に行くなどしていますが、実際の特攻はかっこよくないし、悲しくもない、ただただ未来永劫空しいだけのものです。あの時しんだ人々にはそれぞれの「意味」がありましたが、それは日本の歴史にとっては何の意味もないただの汚点でしかないのでした。そういう映画でした。渋谷の街は音と色で溢れていました。

「男子はだまってなさいよ10・男子レッツラゴン!」

odo-mikikov2015-08-04

リア友のごちょさんと灼熱の下北へ、大人の人々の真剣なバカを観に行きました。毎回、100%混じりっけなしのバカをなすっているユニットコントなのですが、今回も信じられないバカ、バカの可能性どこまで、といったバカまみれの舞台でした。赤塚不二夫とマッドマックスとむらかみはるきが融合し、得も言われぬバカが生成され、本多劇場はまさにカオスでした。カオスの渦中で観客たちには笑う以外の選択肢がありませんでした。目の前で、うそ寄生獣やうそマッドマックスやうそピクサー、うそ綾野剛が渦巻いていました。わたしはほんもののマッドマックスは予告動画のようなものでしか見たことがありませんが、噂ではとんでもない衝撃的な映画だと聞いています。ここで繰り広げられたうそマッドマックスは失禁するレベルの衝撃だったので、今後はマッドマックス観たことあるということにしようと思います。あと、ほそかわさんはほんとにむらかみはるきさんが好きでしょうがないんだなぁって思いました。いつかむらかみさんに怒られるとおもいます。また、今回はおおほりさん出演しないのかーと思っていたら、開演前にフォークシンガー小象さんのお歌が流れていたので笑いました。特にトムクルーズを好きな女に恋をしたというお歌には笑いをこらえるのに必死でした。そんな激バカコントのOPや幕間の音楽はスチャダラパーでした。音楽に厳しい人々からはいろいろご意見はあるのかもしれませんが、スチャダラパーむちゃカッケーかったです。バカの人々もスチャダラパーも最高でした。みんな観たらいいと思いました。

7月15日

今日という日は後世の人々をがっかりさせる残念な日になったのですが、わたしは群衆の中にいました。無駄であっても意味のあることというものがこの世には存在すると思います。弊社にはノー残業デーという、「働き過ぎたらこまるから早く帰ってね。」というありがたい日が設定されているわけですが、ノー残業デーというのはこういう事の為にあったのだ、と気づきを得ましたから、わたくしはまだ日差しの暑い灼熱の国会前に、素敵OLの装いのまま、ハイヒールで熱せられたアスファルトを蹴って向かいました。人々が続々と集まってきていました。老いも若きも、国の行く末を憂いていました。こんなことしてなんになるのか、暇な連中が集まっている、と言っているだけのにんげんにはなりたくない。わたくしは歩けますし、健康ですから少しでも行動して、他人のこどもたちが大きくなって歴史の授業でガッカリすることのないようにしたい。こんな残念なことがあっていいものか。全世界に「わたくしたち日本人はいつでも戦います。」と宣言した日です。いつでもよその国に行ってひとごろしに協力しますと公言した日です。日本人の美学とは、となりました。よその国のご機嫌取りのための法律がわたくしたちに明るい未来をもたらすとはとても思えない。わたしは勉強不足で、100の内、半分もわかっていないと思います。しかしわたしは理解したい。頭を使うことをやめたらただの体が丈夫なおばさんになってしまいます。なにもしないでいるより、理解したいから群衆に紛れてその一部始終を目撃してきました。帰宅すると、おかはんが「おつかれさんじゃね。残業じゃったね。」と言ってきたので、「国会前行ってきた。」と言いました。「わたしが元気じゃったら先頭でおらぶ(叫ぶ)んじゃけどね。」と言ったので、いいから病人は早く寝んさいと言いました。反原発で戦ったグレートマザーのようなあの気概には及ばないけど、国政から目をそらして笑って生活なんかできないのでした。これでいいわけがない。

「燃えるゴミ」(東京グローブ座)

odo-mikikov2015-06-29

リア友のごちょさんがチケットを取ってくだすったので、おじさんたちの一生懸命のコントを雨の中、新大久保まで観に行ってきました。わたくしはグローブ座は初めてでした。駅から少し歩きますし、雨降りでお足元も悪いのでしたが満席でした。連日満席だとききました。なんてすごいおじさんたちなのだろうか、と思いました。そしてグローブ座は席の造りがゆったりしており、隣にデカいおじさんが座っても圧迫感を感じずに済むのでたいへんよいと思いました。今回は、終始おじさんたち3人だけで走り回ったり、戦ったり、抱擁したり、胴体がちぎれたり、体力が持つのかしらと心配になるぐらいアグレッシヴな動きをしていました。おおたけさんときたろうさんの掛合いの後に、さいきさんが(たぶん)ぼんやりしてセリフを忘れたんですけど、「ふたりのやりとりに見惚れちゃった。」と言っていたのがかわいいなぁと思いました。なんせこのおじさんたちの愛らしいのにはまいりました。忍者の恰好をしたり、モナリザの雄叫びが「モナリザー!」だったり、すごくバカバカしくて超かわいい舞台だったので、アハハウフフしつつもわたしはおじさんたちになごまされました。入口でおおたけマネージャーが観客をアテンドしていましたが、今回、劇中の音楽を担当されたそうで、それはかっこよくて、ええ音楽でした。親子でこんないいお仕事ができるなんて、なんとすてきなのかしらとまたなごみました。おじさんたちを見てなごみ倒した夜でした。以上です。

「不倫探偵 最期の過ち」

odo-mikikov2015-06-23

生きていたらいろいろありますが、何かと疲れることもありますが、仕事終わりに観に行ってきました。親の業を抱えた罪の人、罪十郎が不倫しながら探偵するエログロハイセンスなおはなしでした。すばらしかったです。まつおさんとかたぎりさんの掛け合いが、むらすぎさんとこんどうさんの上級者っぷりが。ひらいわさんのバカ女もしまさんのカッコよさも、みながわさんの異常さも、にかいどうさんのコケティッシュさも全部があまりにも素晴らしいので笑うのをわすれて感動すら覚えました。変な言い回しも、無駄な動きも全部ひっくるめて感動しました。全部無駄でできていました。かたぎりさんの髪型が頻繁に変わるとか、唐突に決めポーズをとるとか、そのシーンになくてもいいことを全力でやっていました。おもしろいことをやっていますよと大上段にかまえてやっているの、こんなにスタイリッシュになるものか、というぐらい見事なバランスでそれらはちゃんと演劇していました。みわあきひろさん風のシンガーがみわあきひろさん風のお歌を歌って、お菓子の恰好をして人々が踊るなどしていましたし、首がもげたり餓死したりそれはもうたいへんなことになっていました。これはたいへんなお芝居です。観られなかったひとはたいへん残念だったとおもいます。これはいい方の無駄でした。元気が出ました。ありがとうございました。今日も生き太、明日も生き代。

難波送友人。

ネカマの星野さんが東京に見切りをつけ、故郷であるナニワに帰るというので、数人で集まってネカマを送る会を開催しました。送る会、といってもわたしとネカマ以外のネッ友たちには幼子らがあるため、子らが遊べるところということで、とある地方の水族館へ行きました。大変ありがたいことにネジ家がレンタカーを手配してくだすって、シヴ家以外のにんげんたちはそれによって水族館へ運ばれました。水族館はとても広く、子らはすぐに心のねじが外れていました。何をそんなに魚で笑うことがあるのかよ、というぐらいアハァ、アハハハハァ、と楽しそうに魚類を見ていました。それはまさに平和の象徴でした。この水族館には鰯やエイなどの定番の魚類たちの他に、「深海の生き物」という真っ暗なコーナーがありました。わたしは「深海生物だ!やたー!」とテンションがあがりました。ワクワクしながら暗闇に足を踏み入れると、いくつかの小さな水槽にライトが短周期でピカッ!ピカッ!と光っていました。光っている一瞬だけ中の生物を見ることができる、そういった仕組みなのです。「そうか、深海生物たちだから始終明るくしていてはいけないのか。なるほど。」となり、点滅の鬱陶しさに耐えて近寄ってよく観察しました。作り物でした。「ん?」となったので、もう一度見ました。何度見てもそれはプラスチック的な素材でした。いや、本物じゃないんかい。わたしは、そのコーナーでは唯一の「本物」である、リュウグウノツカイの遺体を鉄仮面のような表情で眺めました。LINEの通知があったので我に返りました。人々がわたしを見失っている様子がうかがえましたので、「リュウグウノツカイがいます。」と送りました。マンボウとクラゲをただただ眺めて人々を待ち、無事合流しました。そしてネカマが行方不明になりました。わたしが連絡を取るとネカマは「そちらへ行きます。」と言いましたが一向に来ません。再度連絡をすると「結局わからなかったので出口にいます。」と驚きの発言をしました。わたしは出口へ向かいました。そして会うなり「なぜわからなかった時点で、やはりわからないので出口で待ちますと連絡しませんの。」と説教をしました。ネカマに出会ってから数年経ちますが、大体において説教をしています。ネカマは「めんどうだったので。」と言いました。ぼんやりとただ説教されているだけなので、これを説教だと気付いていない、もしくはわたしの存在が見えていないかのどちらかだと思われました。「そういうとこですよ。」とさらに説教しかけましたが、ネカマはリハビリを頑張って右手が少し動くようになったので良しとしました。そういうことがなければさらに説教していました。水族館を後にし、皆で海鮮をおいしくいただき、子らはソフトクリームをドロドロにしながらアハハウフフしていました。シヴ家の子は賽の河原のごとく石を積んだり破壊したりしており、オカッパ家の子はなぜか車の後部座席をつるんつるんとすべり落ちる、という謎の運動を繰り返し、ネジ家の子は、帰りの車中でネカマがくれたマニ車を父の仇のように回して徳を積んでいました。この子らに明るい未来を。ネカマにすばらしい老後を。

「COSMO」「quatre」

全公演が終了したので書きます。また、シソンヌのはDVD化するそうなので、あまり詳しく書かないようにします。詳しく書くと「まじありえねぇ。ふざけんな。」と言ってくる知らないひとが世の中に結構いることが分かっているからです。しかし、なぜ人々はネタバレを人でもころしたかのように責め立てるのでしょうか。害虫のようにきらうのでしょうか。こわいです。インターネットこわいです。面識のないひとに何のためらいもなく罵詈雑言の奇襲攻撃をしかけてきます。真珠湾攻撃です。ちょっと言っている意味がわからないのですが、とにかくわたしは神なのでなんにも思わない、というかネタバレされたものをまったく新鮮な気持ちで見たり聞いたりできる特殊能力をもっていますし、ちょうどいい塩梅でネタバレしないという良識もあります。全知全能の神です。崇めてもらってもなんら支障はありませんのでどうぞよろしくお願いします。

「COSMO」(萬劇場)
わたしの出身大学は規模だけはやたらデカい大学なので、世の中にうじゃうじゃいるはずなのですが、学部も同じという人には社会人生活10数年の間に2人しか遭遇していません。あの学部はそもそもこの世に存在しないものだったのかもしれませんが、そこを受験しようと思った、という人には5,6人ほど遭遇しましたから、たぶん存在すると思うのです。勘違いでしょうか。追いかければ消えてしまう魔法のようね。(魔法などない)
そんなわけで、なんの面識もない赤の他人ですが、同じ学部出身だということでおうえんしたくなる人々のおコントを観に行きました。コントとコントの合間も短いコントでつないでちょっとづつリンクさせたしゃれた構成でしたが、つかもとさんのおしりで始まりおしりで終わりました。AAAで破産寸前のおとうさんや、和太鼓ドンドンしたり、水風船でつかもとさんをびしょびしょにしたりと、常軌を逸したコントが目白押しでした。ひきこもりをAVでおびき出すのと、先生が生徒に水風船で復讐するのが特に気に入りました。ためぐちさんの女の子は、手足が短くてちいさいのでファンタジー感がすごくて、これは今後もなすったらいいと思います。おもしろいです。客席に男の人たちがたくさんいたので、今はなきカリスマラジオのリスナーの人たちかな?と思いましたし、若い乙女だらけの空間で窒息せずに済んだのでたすかりました。ありがとうございました。
「quatre」(恵比寿エコー)
職場のリア友を誘ってみました。たいそう笑って楽しんでくれたので、「わたしのおもしろいは正しかった、シソンヌのひとたちありがとう。」てなりました。さて、今回もまったくクオリティの高い内容でした。前回も登場した中学生(たぶん野村君)が出てくる研究発表は思わぬ展開で笑いましたし、冒頭の長谷川さんの空気読めない子がとてもよかったです。アホっぽい話し方とあやしい動きが絶妙でした。引っ越しのコントはじろうさんのヤバさが際立っていたかと思いきや、ふたりともだいぶイカれていたという展開が素晴らしかったです。スカウトの胡散臭さ、面倒くさい客のおっさん、イケてたのにイケてない人になってしまう弟など、観察力に脱帽でした。野村君と先生や、KY君とガリ勉君のようなまったく何も解決していないけどなぜかほほえましい関係性を描けるところに、じろうさんの凄さがあるように思いますし、二人の演技力が他とは格段に違う、シソンヌはやっぱりすごいと思うんですけど、わたしがただ好きなだけでそうでもない人もいることは分かっています。だいたいのことは分かっています。