映画

観たやつまとめて岩波

「娘よ」 宗教、誰も幸せにしないのおはなしでした。こどもとじいさんが部族の名誉のために結婚する予定だったけど、当日にこどもが逃げる。母と娘がパキスタンのキムタクみたいな男に助けてもらいながらの逃亡劇を繰り広げて、人として生きる光を見出す。こ…

「家族の肖像」

人間が何人も出てくるけど、まったく誰も外に出ないおはなしをデジタルリマスターした映画を観てきました。頑固で孤独な老教授が謎のおばさんとその発展的な娘、the色男の愛人とその友人らしき人々に、自分の家からなにからかきまわされてしにました。癖が強…

「沈黙」

こりあん先生のすばらしい文学を、スコセッシ大先生が料理した宗教映画を観てきました。くぼづかくんがすごく頑張っているとの前評判通り、ちゃんと俳優さんしていました。映画館には様々な年齢層の人々がきておりましたが、さすが宗教映画、年季の入ったシ…

「皆さま、ごきげんよう」

知性と暴力を交換するじいさんと、頭蓋骨を集める酒飲みじいさんが、いろいろあるけどいろいろ受け入れて生きているお話でした。だからといってこのじいさんたちのお話なのかなと思って観てしまうと混乱するかもしれないので、出てくる人みんなが主人公だと…

「この世界の片隅に」

なんかすごいらしいから観に行きました。人が沢山来ており、なるほどなんかすごいんだなぁ、日本アニメ映画も元気があってよろしいと思いました。戦争はひどいぞ!戦争こわいぞ!と大上段に構えず、普通の暮らしでもって「戦争」を表現しており、モガだった…

「みかんの丘」

これは先日観ました「とうもろこしの島」の半券で200円(だったと思う)割引になります。逆もまた然りですので、みなさんも観に行ったらいいと思います。朝からチケット売り場に人々が並んでいましたが、半券を出して割引いてもらっているのはわたしの他にお…

「とうもろこしの島」

くろさわとしおみたいなおじいとその孫娘が、無言で小屋ととうきび畑を作っているおはなしでした。ずっと作っていました。あまりにもずっとDIYするので、途中で「趣味百科かな?」となりましたが、だれも言葉を発するものがいないので、すぐにそれではない、…

「めぐりあう日」

母探しが袋小路でうおー!となっている女の人が、子育ても袋小路でうおー!になっているお話でした。女の人はだいたいずっとうおー!して心が忙しいので、外国の人、感情がすごいなぁとなりましたが、映画全体は静かな空気で包まれており、まさに「女」を表…

「或る終焉」

この監督さんの映画は今後も気をつけなければいけない、の映画でした。「父の秘密」という全編むごし、ゴリゴリのむごしここに極まれりの映画をかつて観たのですが、その監督さんの作品だということで、たぶん普通には終わらないはずだと思っていましたが普…

「さざなみ」

年配のご婦人方がたくさん観に来ていました。その観客たちと同じお年頃の妻と、年上の夫の、積み重ねた年月は無力である、のおはなしでした。男の後ろ向きと女のそれは全く違うのですが、とてもよく表現されていたと思います。メインキャストの年齢設定もま…

「緑はよみがえる」

イタリアの兵隊さんたちが、豪雪の塹壕でしんだように生きているお話でした。真っ白な積雪と厳冬の枯れ木の森と地下壕という、全体的に灰色の風景で始まりましたが、灰色のまま終わりました。兵隊さんたちは雪の塹壕にずっといました。ずっといてどこにも行…

「ファイヤー・フォックス」

唯一無二のお母さん、グレートマザーの看病の日々を謳歌することで有名なミキコフですが、洗濯物をたたみながら、BGM代わりにTV showをながら観しました。前半を少し超えたあたりで見始めたので何とも言えませんが、実に前衛的な、わたしのようなにんげんに…

「ひとりひとりの戦場 最後の零戦パイロット」

久しぶりの映画を観に渋谷に行ってきました。チケットを購入しようとカウンターへ向かうと、列ができておりました。隣のシアターで上映する「野火」のチケットを求める人々がほとんどでした。つかもと監督の映画は画面が整理整頓されていない、あえてとっ散…

「パプーシャの黒い瞳」

美容室で出されたファッション誌の占いページをすっとばして読んでいたら、美容師さんに「占い、興味ないんですね(笑)」と言われるスピリチュアル要素ゼロカロリーのミキコフですが、生まれた時に拝み屋のばばあに「縁起悪い名前だ。波乱が起きる。」と言…

「みんなのアムステルダム国立美術館へ」

人々が一生が決まるかもしれない試験を頑張っている時、わたくしは映画を観るため、渋谷にいました。センター街(センター試験なだけに!)はにんげんであふれかえっていました。無秩序に見えて、ある一定の秩序だった流れで人々は動いていました。動線は大…

2014年観たものまとめ。

年の瀬も押し迫って、振り返ってみましたところ、2014年は14本の映画を観ていたようです。ということで、簡単に振り返ります。これからDVDとか借りてみてみようかな〜、という人は参考にしてください。(しないでください) 「スペシャリスト」 アイヒマンの…

「三里塚に生きる」

汚いおばさんにはなりたくないの。だって、女はいつまでも女の子でしょ?女子力上げる映画でもみなくっちゃよ。てことで、国とたたかった人々のドキュメンタリー映画を観てきました。にんげんらしい暮らしのため、理不尽な国の態度への怒り、様々な動機でも…

「郊遊(ピクニック)」

ずっと雨が降っていて、おとうさんが小刻みに震えているお話しでした。おとうさんと子どもたち(兄妹)の三人は廃墟に寝床を作って生活しており、デパートのトイレなどで体を洗ったり歯磨きをしたり、子らは学校も行かずに食品売り場の試食で空腹を満たして…

「リアリティのダンス」

おっぱいを出しっぱなしのおかあさんがずっとお歌を歌って、おとうさんはちんこを出しておおむね大声を出しているお話しでした。わたくしのようなサブカルでもアートでもなんでもない、もはや何者でもないにんげんがこのような作品をみてもよいものだろうか…

「イーダ」

ポーランドのひとが撮ったポーランドの映画でした。ナチスの傷がまだ色濃く残っていた時代に、しんだように生きる中年女性と、神と生きていこうとする寡黙な少女の、自分たちの真実を知る旅が、まったく美しい映像で語られます。モノクロの陰影と少ない台詞…

「チョコレートドーナツ」

ゲイの恋人たちとダウン症の少年が、他人だけどどの家族よりも家族したお話しでした。麻薬常習者の母親が逮捕され、一人になったダウン症の少年を育てた暮らしはとても充実して、ハロウィンには家族で扮装しておどけたり、体に悪そうなアメリカっぽい色の毒…

「大いなる沈黙へ」

フランスの緑深い峰の麓にある、宗教の人々が住んでいるところの「生活」を撮ったドキュメンタリーを観てきました。平日の夜の回だったのですが、結構な人数で、岩波の社員さんたちがすごく丁寧にアテンドをしてくだすって、人々は静かに開場を待っていまし…

「収容病棟」

馬鈴薯しか作れないから茹でた馬鈴薯ばっか食べている貧乏村のドキュメンタリーを撮った監督の、精神疾患とか痴ほう症とか、暴力沙汰とか、政策違反とか、過度の信仰とかそういうのが十把一絡げにされた精神病院のドキュメンタリーを観に行きました。特にこ…

「ワレサ 連帯の男」

夏はいやだなぁと言っていたら涼しくなりました。神通力でしょうか。しかしミキコフは知っています。この涼しみは刹那的であると。そしてその予測のとおり、数日でまた夏が戻ってきました。やはり神通力でしょうか。今月はメーデーという労働者の日がありま…

「ダブリンの時計職人」

大した労働もしておらぬのに、メーデーなので会社が休みでした。わたくしのようなふざけた労働者でもメーデーしてよろしいのかしら、あらそう、よろしくて?ご親切にどうも、という気持ちで休みました。午後から快晴になりましたし、毎月1日は映画の日ですか…

「チスル」

島のほとんどの人がしんだ史実を元に作られた、意識の高い映画を観に行きました。カウンターでチケットを買ったら馬鈴薯をもらいました。ここ近年、終始イモばっか食ってる映画(「ニーチェの馬」)や、イモしか収穫できない映画(「雲南の子」)を観てきた…

「眠れる美女」「父の秘密」

「しなせて」と「しなないで」のお話しでした。尊厳死をめぐる3家族のお話しがあっち行ったりこっち来たりの構成で、テンポがよくあっという間に終わった気がします。それぞれの3家族のラストシーンは、何かを解決するでもなく、しかしその先に解決があるの…

「家族の灯り」

まるで舞台演劇をみているような演出だと思っていたら、戯曲を映画化したのだそうですから当たり前でした。解せました。冒頭の波止場のシーン以外はずっとびんぼうの薄暗く湿ったお家の中でした。薄暗く湿ったお家には老夫婦と嫁で暮らし、彼らは8年前に失踪…

「スペシャリスト 自覚なき殺戮者」

先日、裁判を哲学して物議をかもしたご婦人の映画(「ハンナ・アーレント」)を観たのですが、そのご婦人が哲学した裁判の記録映画を観に行きました。被告人のアイヒマンは頑張って言い訳をしていましたが、全員が敵でしたから、言い訳は彼の口より発せらる…

「ハンナ・アーレント」

哲学しているご婦人が、アイヒマン裁判の傍聴レポートを発表したことで哲学していない人々や哲学している人々とケンカするお話しでした。アイヒマンはナチスの役人の中の一人だけど、世界中の人々はアイヒマン自体が「ナチス」という目で見ている、ガリガリ…