「緑はよみがえる」

odo-mikikov2016-05-01

イタリアの兵隊さんたちが、豪雪の塹壕でしんだように生きているお話でした。真っ白な積雪と厳冬の枯れ木の森と地下壕という、全体的に灰色の風景で始まりましたが、灰色のまま終わりました。兵隊さんたちは雪の塹壕にずっといました。ずっといてどこにも行かないし、どっか行こうとしたらすぐしにました。時折、敵の照明弾や銃撃の音がしており、おそらく目と鼻の先に敵陣があるのがわかりますが、その姿は最後まで出てきませんでした。後半にかけて、徐々に敵の音が近づいてきても、うおー!突撃だー!というお戦争アクションもなく、だれか一人の崇高で勇敢な上官も、極悪非道で孤独な独裁者もおらず、穴を堀り堀りしてしんだ人々を埋め埋めして、ただただ地下でにんげんしていました。戦地から故郷の母に手紙を書く主人公が突然独白し始めるのではっとしました。ひとがひとを赦すことができなければ人間とはなんなのか、とゆっていました。今の時代は赦すことも赦されることも拒否しているんだとおもいました。上映時間がとても短いので、兵隊さんたちが灰色の中でうごうごしているのを眺めていたら終わっていました。戦争映画の中でも上位にはいるやつでした。以上です。