「郊遊(ピクニック)」

odo-mikikov2014-09-15

ずっと雨が降っていて、おとうさんが小刻みに震えているお話しでした。おとうさんと子どもたち(兄妹)の三人は廃墟に寝床を作って生活しており、デパートのトイレなどで体を洗ったり歯磨きをしたり、子らは学校も行かずに食品売り場の試食で空腹を満たしていました。おとうさんは一日中看板を持って立っている仕事をしていて、この家族はたいへんに貧乏なんですけど、なんかしょっちゅう食べてました。貧乏だからガサツそうな食べ物をガサツ丸出しで食べていました。おかあさんがおらず、しかしなんでいないかは全然わかりませんが、女が3人出てきて子らのおかあさん的な事をしたりするので、「これは何のメタファーであろうか。」と思いながら観ました。おとうさんが暴風の中看板を持って「怒髪冠を衝き〜♪」と漢詩を歌いながら泣いたり、ただ黙々と肉を食ってるとこをずっと映し出したり、最後の方で「あれ?映写機壊れちゃったかな?」と心配になるぐらいの長回しが出てくるなどしますから、もう全部メタファーなんだと思います。「こないメタファーするかね。」というぐらいメタファーが渋滞していたのでおもしろかったですし、画面は鬱々としていましたが、子らがとっても素直で兄妹でアハハウフフしているので切なかったです。メタファーと切ないでできている映画でした。