「収容病棟」

odo-mikikov2014-07-22

馬鈴薯しか作れないから茹でた馬鈴薯ばっか食べている貧乏村のドキュメンタリーを撮った監督の、精神疾患とか痴ほう症とか、暴力沙汰とか、政策違反とか、過度の信仰とかそういうのが十把一絡げにされた精神病院のドキュメンタリーを観に行きました。特にこの映画館では貧乏村だけでなく、馬を飼っているよれよれの親子が終始馬鈴薯ばっか食べてる映画も上映していたので、「これも芋なんじゃないか。芋映画なんじゃないか。」とドキドキしていました。しかし2時間以上たっても芋は出で来ず、かわりにチンコがたくさん出てきました。いろんなところで丸出して放尿していました。なんだったら全裸で走ったり全裸で水を浴びたり、丸出し祭りでした。入院している人々については、氏名と入院年数のみが表示され、入院理由は一切語られませんでしたし、音楽もなく、過度な演出もなく、ただ人を撮っていたので見事な編集だ!と感動しました。だいたい1部屋に4〜5人で暮らし、1人1台のベッドがあてがわれていますが、誰かと一緒に寝たがるデカイ男の部屋には、靴底で壁を叩いてまわりながら解読不能な言葉を発している男や、それらのカオス状態をものともせずお祈りを粛々と行う回族の男もいたので「この部屋コントや!」てなりました。また、別の患者は面会に来た妻が服を着替えさせようとしてケンカしたり、差し入れでミカンばっか持ってきて「ミカン食え。」「ミカン食わない。」の言い合いをして結果食べる、みたいなことをしていたので面白かったです。後編の中盤辺りで退院する人を追ってその家も撮影していましたが、家も病院と同じぐらい汚かったので「家もか〜い。」てなりましたし、なによりその家の奥に山積みになった唐芋が映し出されたので、「やっぱ芋か〜〜〜い。」てなりました。前編後編合わせて4時間近くにんげんを観る元気のある方はみてください。いい映画でした。