「ダブリンの時計職人」

odo-mikikov2014-05-01

大した労働もしておらぬのに、メーデーなので会社が休みでした。わたくしのようなふざけた労働者でもメーデーしてよろしいのかしら、あらそう、よろしくて?ご親切にどうも、という気持ちで休みました。午後から快晴になりましたし、毎月1日は映画の日ですから映画をお安く観ることが出来ます。低所得者に優しい日です。ありがとうございます。感謝の気持ちで渋谷に向かいました。中年の紳士淑女が手に手を取って観に来ていました。なるほど、つがいで観るのにとてもよい映画です。老いも若きも関係なく、つがいの人々はごらんになりますとよいでしょう。映画館を出た後のティータイムに、素敵な大人の会話が出来ましょうから。失業したおじさんとヤク中の青年が人生を漂流するお話しでしたが、おじさんが恋する未亡人も、青年のお父さんも、みんなそれぞれの場所で漂流していました。時計が動き出す、大切な時計が持ち主の手に戻される、飛び込み台、新しい音楽。メタファー的なことが全部やさしいので、「なんというやさしみ!」てなりました。人生を再生した人にも、再生できなかった人にもたいへんあたたかいラストになっておりましたから、こころがカサカサしませんでした。芋ばっか食ったり、人間がどんどんしんだりしないので人々に自信を持っておすすめしたい、そういう映画です。