「チスル」

odo-mikikov2014-03-31

島のほとんどの人がしんだ史実を元に作られた、意識の高い映画を観に行きました。カウンターでチケットを買ったら馬鈴薯をもらいました。ここ近年、終始イモばっか食ってる映画(「ニーチェの馬」)や、イモしか収穫できない映画(「雲南の子」)を観てきたので、「またイモの映画なのか!!!」となりました。そんな新たなるイモ映画の内容は、イモの甘い事以外は全部不幸のお話しでした。全編モノクロの寒々しい映像の中でユーモアと狂気が淡々と描かれ、そのバランスの絶妙さに驚きました。ころす人もころされる人もどちらにもまったく意味がない、恐ろしく無駄な血が流れて終わりました。島のいろんなところで、アカが何かもよく分かっていないまま全員しにました。誰もちゃんと説明しない(説明できない)ままころされてしまいました。オモニが今際の際に守っていたおいもさんを暗い洞窟で甘い甘いと食べてアハハウフフしたのにしにました。足の速いバカは、いつも道化ていましたが、その馬鹿のせいでたくさんしにました。戦争とは、底辺の人がころしたりころされたりして、かなしいが遺伝して、そのようにして人間のある限り終わらないことです。タイトルの「チスル」とは馬鈴薯のことだそうです。いいイモの映画なので、時間のある人は観たらいいと思います。