「R62号の発明・鉛の卵」

R62号の発明・鉛の卵 (新潮文庫)

R62号の発明・鉛の卵 (新潮文庫)

たいそう久しぶりに安部公房を読みました。学生の時以来だと思います。なんか文章いかついなーという感想です。こんなにいかつかったっけなぁと、安部公房の感覚をすっかり失っておる自分に気付きました。安部公房はいかちいです。クビになってしにたい人が、ものすごいメカにされて自分が解雇された会社で社長をころすおはなしとか、謎の組織にかかわって人ごろしになってしまったおはなしとか、人に食べられる人と人を食べる人の押し問答とか、自殺した女の人の魂がしんだところから故郷へと遡って行くはなしとか、とにかく人がしんでばっかでした。人がしんでばっかで、現実と非現実がガッチャンしてだれも救われないという、すごいガサツおもしろのやつだったのでわたくしは頭が老朽化しておるため、頭疲れるわーおもろいわーと思いながら読みました。あと、すごく頭のいい若い人が書きそうなお話しだなぁ、安部さんは頭がいいだけではなくて、こころも若々しかったんだなぁって思いました。全然気持ちが伝わらないと思いますが、すごいなぁって思いました。安部公房がいかちいということだけお伝えできたならば幸いです。