「ピカロス11」

300回記念公演だそうです。ダンスで始まりダンスで終わりました。人々で一生懸命エンターテイメントしていました。まさよしさんが女装で出てくると、客席からは「やはりそうか!」「待ってました!かまよし!」といわんばかりの拍手が沸き起こりました。観客たちは氏の女子力を待っていたのだと知りました。使用人役の慎太郎さんはお歌の人なので、劇中でギター片手にお歌を歌っていました。とってもいい声で歌っておられた。しかしこのような場面に遭遇する度、わたくしは基本的に劇中でお歌を歌う演出はそんなに好きではないということが再確認されます。人々はなぜたやすく劇にお歌を差し込むのであろうか。「なぜここで歌を?」となる危険を冒してまで歌わせる。しかもお歌で生活している人ではない人に担当させるパターンはいとわろし。「この劇は歌ありきなのですよ!」というスタンスや全力のおふざけでのお歌は大丈夫なのですが、ちょっとアクセント的にお歌するのは心がスンッとなります。それはあたかもアイスクリームに添えられたウエハースのように。せっかく口腔内がひんやりしたところを、パサパサが歯に詰まり残念な気持ちになるあれです。アイスのコーンやパフェのフレーク然り。わたしは「冷たい」を欲していたのだ、カリカリもさもさ感は望んでいない。こんな個人的な嗜好はどうでもいいとして、ストーリーはといいますと、大富豪の女会長(まさよしさん)が億の大金で買った「ピカロス」という名の宝石を、家族、他人入り乱れて各々の理由から奪い合うというドタバタコメディーでした。メイド役の平田さんはちょっと喋るだけ、ちょっと動くだけで面白いので女優さんすごいと思いましたし、吉村さんのチャラチャラした放蕩息子感が凄かったです。あと、毎回思いますが房野さんは演じる役で顔も雰囲気もまったく変わるのでおどろきます。男前の役の時は不思議とカッコよく見え、中学生をやると本当に中学生のように見えてきますし、悪役の時はまったく悪い人の顔に。たいそう器用な人なのだなぁ、首長短足ラクダみたいだけどいいじゃない、ちょっと見た目が不自由なだけだわ、房野さんがんばれ!と思いました。以上です。