「三姉妹 雲南の子」

odo-mikikov2013-05-27

中国の人が中国の一番びんぼうな村を撮ったドキュメンタリーでした。母は出奔、父は町へ出稼ぎ。三姉妹は長女(10歳)を中心に子らのみで生活をしていました。子らは着たきり雀で茹でた馬鈴薯ばっか食っていました。なんで芋ばっか食うのかよ、と思いましたが収穫祭の時には豚をつぶした料理をよその家からごちそうになっていましたから安心しました。そもそも茹でた芋以外の食物はほとんど親戚の家でもらっていました。極貧でした。後に、この村は海抜3200メートルの高地にあり、芋しか作れないと知りました。芋はびんぼうを助けるいい食物です。しかしこの長女のインインは10歳の子供であるに、大はしゃぎもせずたいへん物静かで妹らを母の如くよく面倒見ていました。久しぶりに帰郷した父に甘える妹たちと対照的に、すずしい表情で黙っていましたが、父が妹らを連れて再び町へ出稼ぎに行ってしまい、一人きりになったとたん10歳の子どもの表情になりました。この子は子供なのでした。夜は真っ暗なボロ家の湿った万年床で寒さをしのぎ、薄汚れた服と泥まみれの靴で村の学校に通い、一日の大半を農作業に費やしていました。しばらくして父は町での生活をあきらめ、妹たちと子連れの女を連れて村に戻りましたが、貧しさには変わりなく、何の変化もありませんでした。同居を始めた子連れの女と折り合いの悪い6歳の次女が「わたしのお母さんがいちばんステキ〜♪」と歌いながらウフフと笑っていました。まったく静かでせつない映画でした。