「春夏秋冬」

安達さん(脚本・演出)は今回もむちゃくちゃするのだろうか。そんな気持ちで行きましたが、4本のむちゃくちゃなオムニバスコントをちょっといい話の池谷さんで挟んだ構成になっていました。
【1本目 映画「卒業」的なこと】おっさんたちが一生懸命キスしていました。いったいぜんたいどういうつもりなのか。明転したらすでにチューでした。なんてこったい、いきなりかい。面白かったのが客席の反応で、押見さんと房野さん、房野さんと福田さん、伊藤さんと池谷さん、それぞれ「ヒャーーッ!」「キャーッ!」「ギャハー!(爆笑)」と、まったく違う悲鳴があがっておりました。おじいさん(吉村さん)の動きや表情がまったく道化ておりとても良かったです。あと、「押見さんは序盤からこんなにも振り切っている、生きている。」と思いました。
【2本目 リレー大会】房野さんと池谷さん以外全員馬の被り物という青春コント。福田さんだけ白い馬で、伊藤さんがボケになっており気が利いている!と思いました。あらかじめ録音されたセリフにそれぞれが動きを合わせるのですが、微妙にズレており笑いました。最初にオチはこれですよ、と匂わせておきつつ、オチで笑わせるというよりも、オチに持って行くながれで笑わせるというかんじでしょうか。あのフォーメーションというか演出いいなぁと思いました。
【3本目 バンド「カオス」】バンドの取材コント。このコントだけ毎回役が入れ替わることになっているとか。たしかに入れ替わってもオモシロの多様性が楽しめそうな作りだと思いましたが、池谷さんのふんどし男は池谷さんにしかできないのではないかと思うぐらい、池谷さんの役でした。福田さんのkiss風メイクはハードロック感はまったくなく、こどもの道化師のようであった。あと、記者(押見さん)の質問で「目標とするアーティストは?」に対して(たぶん房野さんが)「橘いずみ。」と答えていたのと、最終的に「美空ひばりは饅頭。」ということになっていたのでナヌー!てなりました。
【4本目 レンジャーの葬式】ピンクレンジャーの葬式で、他のレンジャーたちによるピンクとの関係暴露合戦コント。その関係が軒並みゲスいというやつです。恋人、セフレ、主従関係、最後は牛にトリカブトを食べさせて皮をはいで二人で食って糞尿まみれ、というまったく意味の分からない関係になっておりました。動揺する押見さん(ピンクの恋人)と全く動じない伊藤さん(ピンクの母)が良かったです。

しっかりコントで楽しかったです。暗転中の演出も面白かったですし、安達さんはいろいろわかっていてかしこいと思いました。ブロードキャスト!!の人々もLLRの人々も、セリフに緩急があって聞きやすいし、犬の心の人々はさすがコント師。エンディングのやりとりも犬の心の人々でビシッと決めていました。なんだってうまくおコントなさる。