「天皇と東大」1・2巻

天皇と東大 I 大日本帝国の誕生 (文春文庫)

天皇と東大 I 大日本帝国の誕生 (文春文庫)

天皇と東大 II 激突する右翼と左翼 (文春文庫)

天皇と東大 II 激突する右翼と左翼 (文春文庫)

かなりおもしろいので人々も読んだらいいと思います。今、2巻まで読み終わりました。文語体の資料が随所に登場し、ボンクラなのでだいぶ時間がかかりましたが、そういうところも面白かったです。はやく全4巻制覇したいです。1,2巻は東大の成り立ちと、帝国主義になりゆく日本といったところでしょうか。東大創世期の外国人講師のものすごい勤怠や、それに振り回される日本政府などオモシロエピソード満載です。昔も今も日本は何も変わっていないし、知識人のイケイケドンドンで戦争をおっぱじめるに違いない。そして戦争で淘汰されるのはわたくしのようなピラミッドの底辺にいるゴミばかりなり。しかし、国家のほとんどはゴミでできているので戦争をしたら日本は終了です。さようなら。ゴミが知識人にころされる。そんなことを考えるなどしました。また、左右の思想の流れが書かれているところなどたいへんよろしかったですから、そういうのが好きな方はこのおもしろが分かっていただけると思います。新人会と七生社の攻防とかです。ほらもう読みたくなったでしょうよ。元々、文芸春秋に連載されていたもので、連載当時毎月買って読んでいましたが、度々の休載で「のちに文庫になってからまとめて読むがよかろう。」となり、文庫化を待っておった次第です。文庫であれば持ち運びがしやすく、移動中に読めますから大変便利なはずですが、1冊がまあまあ厚みがあり、なおかつ4巻ありますから「おや?」となっています。しかし、読後は何かの重しにして重宝しそうですので一度で二度おいしい、いよいよもってしておすすめです。ただ、職場で「今読んでる本のタイトル何?」ときかれて、若干躊躇する、という事態が発生しました。会社では宗教とイデオロギーの話題は禁物です。新社会人のみなさんはそういうことにも気を付けて、平和な社会人生活を送ってください。あと、どうでもいいですが、墾田永年私財法って、すごく語呂がいいのでつい言いたくなるのですが、きっと当時の人々も何の用もないのに言いたくなったに違いない、そう思いました。