「オロ」

odo-mikikov2012-07-16

日本人のおじいちゃん監督が撮った映画を観てきました。みんなチベットが好きね。わたしはチベットのことはよく知らないけど、お坊さんがよく焼けるところだというのは知っています。お坊さんがいくら焼けてもどんなにマニ車を回しても、オロのようなこどもたちは減らないし、何ウッドの俳優とかがダライ・ラマおじさんに会っていい気分になるぐらいです。マニ車を回すと読経したことになるらしいです。赤や緑や黄色の布を掲げると読経したことになるそうです。なるかよ。なってねぇよ。だから普通の人々が亡命をして二度と国に戻ることはないのだよ。なんだ、宗教ってなんだ。だれのものだ。ヤクルトジョアは君のものだ。親元を離れ、一人で亡命してきたオロは朗らかでとても優しい子でした。かしましい姉妹に「逃げてくるときどうだった?」「案内役の人とはぐれてそのあとどうしたの?」など質問攻めにあっていましたが、オロは一向に怒りませんし、ただ、言葉少なく断片的に話すだけでした。しかし、ウン十年前に亡命してきた初顔合わせのおばあさんと昔話をしたり、おじいちゃん監督とたわいもない話をするときは本当によくしゃべりますし、他人に、そしてとしよりに優しい子でした。としよりに優しい子を見ると、本当に優しい子なんだなと思います。わたしはとしよりとあまり触れあわずに育ってきましたから、としよりとのコミュニケーションの取り方がダメなやつです。母方には祖父母はおりませんでしたが、父方にはおりましたから正月だなんだで節目節目には会っていました。しかし、祖父母はなんせこどもが嫌いで、さらにいつ行っても「このクソじじい!しね!」「なんか、このクソばばが!ころすぞ!」とじいとばあがなかなかにバイオレンスなケンカをするので、「としより怖い!」という感情しかありませんでした。としよりとコミュニケーションがちゃんととれるこどもは、なんかちゃんと感情がめばえるような気がします。気がするだけですが。オロは一生懸命勉強して、またチベットに戻るのでしょうか。それとも戻らずに何某かの立派なおっさんになるのでしょうか。こどもが国を捨ててひとりで微笑んでいる世界なんて正しいはずがないのよ。