「オレンジと太陽」

odo-mikikov2012-04-30

イギリスのたたかうお母さんとその夫のおはなしでした。たたかうお母さんは何とたたかっているかというと、国とたたかっています。個人と国がたたかっているので個人はとても苦労をします。しかしお母さんは“お母さん”なのでたくさんの不幸な元こどもたちのためにたたかうのです。あの大英帝国で児童移民が1970年頃まで実際に行われていたというのにはたいへん驚きました。なんせわたくしが生まれる少し前ですから、そんな時代にもこんな文化レベルの低いことが起きていたとは。しかし、よく考えたら、1972年には日本では浅間山荘事件という、これもまた内輪もめもめしてたくさん人を殺したある意味文化レベルの低い事件が起きていますから、いつの時代もどの国にでも知恵のついたサルが巻き起こす信じがたい事件が起きうるということなのかもしれません。テーマが重いし、なんだか社会派映画って苦手だわという人も観たらいいと思います。展開がスピーディだし、エミリー・ワトソンがとってもいいので社会派映画といえどけっして退屈には感じないと思います。あと、このたたかうお母さんのモデルになった女性は、いまでもその夫と調査を続けているそうですからまったく頭が下がります。グレートマザー!