中国と日本人

風媒花 (講談社文芸文庫)

風媒花 (講談社文芸文庫)

終戦直後の中国に対する罪悪感と劣等感、中国と日本の血をさらっと描いているので、武田泰淳ゴイスーってなりました。中国をばかにしながらも中国に負けたという意識の中で、やはり中国を求めている中国文化研究会の人々と、その仲間である主人公峯の小難しいお話が根幹となっておりますが、メス全開で生きる面倒くせえけどかわいい峯の恋人蜜枝、その弟で左思想の守、守の恋人であり峯ともただならぬ関係のインテリ女子桃代がくんずほぐれつドロドロの先の見えないすてきな物語を展開するので、大変楽しく読ませていただきました。中国思想や中国文学に興味のない方でも楽しめると思います。世の女たちは、蜜枝と桃代のどちらかのタイプになると思うのですが、たぶんわたくしはいけすかない桃代タイプが近いのではないでしょうか。蜜枝のように生きたいがしかし、蜜枝のように生きてこなかったのでもう蜜枝は無理です。メスとしては一応修了したので、これからは「にんげん」として楽しく生きたい、にんげん宣言です。あと、蜜枝が見ず知らずのおっさん達を前に魯迅の詩を書くシーンがあるのですが、ココすげーアガるからまじ読んだ方がいいって思うし、ココだけ読んでもアガらねぇからちゃんと全部読んでくれよな!ラスト感動するぜ!TAIJUNマジリスペクト!