「汽車はふたたび故郷へ」

odo-mikikov2012-02-25

「映画館には、わりと序盤から寝ている人がいる。」ということがわかってきました。この日もわたくしの前方にいたおっさんが完全に首を背もたれに預け、斜めになって眠っていました。たくさん人がいた方が落ち着く、ということでしょうか。みんなさびしがりやさんなのね。サイレントで寝てくれれば特に害はないのでどうでもいいことなのですが、最近特に、映画を観に行く度に寝る人々に遭遇するのでそんなことを考えたのでした。さて映画ですが、若き映画監督ニコラスの映画製作難民の物語でした。あと、じじいやばばあが元気な映画でもありました。ひょろひょろのじじいが、からかってきた若者を頭突きで伸したり、年寄りばかりのダンスパーティーでじじいどもが殴り合いのけんかをするなど、元気なのは年寄りばかりなりでした。思想統制の国でも商業主義的な国でも居場所がなく、結局自由のない故郷に戻るという、ただそれだけの話です。特になにか事件が起きるわけでもなく、メッセージ性をグイグイ押し出すわけでもなく、なぜか黒人の人魚と湖へ消えて行き、じいさんが湖をみつめて立ち尽くすという、ふわっとした終わり方でした。わたくしの後ろに、20代後半と思しきカポーがいたのですが、上映終了後に女が「最後のどういう意味だったの〜?なんか難しーね〜。」と言っていたので、「まあ、かわいらしいこと。」とほっこりしました。という、いいはなシーサーです。