「ニーチェの馬」

odo-mikikov2012-02-13

よれよれのおっさんとしおれたその娘が馬鈴薯ばっか食ってる映画でした。全編モノクロでほとんどセリフもなく、音楽はポストクラシカル風のダークな音楽1曲のみで、なおかつ、その状況が2時間半近く続きますから、映画に意味を求める人は観なくていいです。観てもたぶん前半30分ぐらいで寝ますから内容分からないと思います。わたくしは眠らずに観ましたが、哲学とかアートとかなんもわかっとらん人間なので、なんとなく「にんげん」ということなのだなと理解しました。とにかくひたすら暴風が吹きすさぶ土地で茹でただけの馬鈴薯を手で「アツっ、アツゥ、ハフ、ホフッ」ゆうて食べ、片腕が動かない親父の着替えをさせ、馬に草を食べさす。の繰り返しです。ホントにこの父と娘は芋しか食いません。これが6日分展開されます。6日の間に起こったイベント的なことといえば、杖をついたハゲ男が酒を貰いに来て哲学的な事をぶってよれよれおっさんに、「くだらん、もういい。」と一蹴される、ならず者がやってきて大騒ぎしたあげく聖書を置いて行く。これだけです。そんな映画のどこがおもしろいんだよ!と思われるかもしれませんが、たいへん面白かったので人々は観たらよいのにと思っています。映画らしい映画を観た!という感動が得られますから、暴風と馬鈴薯の日々を2時間以上観る元気のある人は観て下さい。つってもどうせおまえたちは観ないとおもうので全部お話しいたしますが、後半、馬がだんだん草も水も食べなくなり、井戸水が枯渇し、火種が消えてしまいます。暴風の家を捨て、どこかへ移住しようとするのですが、なぜか戻ってきます。火も水もなくなり、生の馬鈴薯をシャリリとかじる。これがラストです。まさかのじゃがいも生かじりです。衝撃的な映画です。あと音楽がカッケーかったので、サントラ欲しいです。