「百合子、ダスヴィダーニヤ」

odo-mikikov2012-01-21

寒さ厳しき曇天の下、黄金町なる摩訶不思議な街へ妊産婦とともに観に行ってきました。映画館、めっちゃ遠かったです。しかし、一時間以上かけてうんしょうんしょと観に行ったかいがありました。みなさんも大杉連さんを観に行くとよいでしょう。ぜひ、大杉連さんの怪演を観てください。初日だったので、浜野監督と主演女優さん2人の舞台挨拶があり、浜野監督が「芳子と百合子役の女優さんに出会うためにこの15年を費やしたといっても過言ではありません。」と言っておられました。成る程、キャスティングが実にすばらしいと思いました。おそらくこのキャスティング以外では成立しない作品でしょう。そしてしつこいようですが、大杉連さんが一個上のステージに行っている人だ!ずば抜けている!と感動しました。百合子にしがみつき、「ベイビー、引っ越そう!引っ越してやり直そう!」と取り乱す、福島の田舎にいる百合子を追いかけ「ベイビー、いつでもカムバックホームだよぉーーー!!わーー!」と走り去る。すごい、すごすぎる。日常会話で日本語発音の英語を駆使するシーンがたくさんあり、あの時代の知識階級の輩はきっとこんなだったろうよと面白くてしかたありませんでした。あと、洞口依子野上弥生子のパンチ力もすごかったのでこれはいい映画でした。映画は正午過ぎから上映開始だったのですが、世の人々がものを食っている時間帯にこんな百合的な映画を観て何をしているのだわたしは、となりましたが、そもそもこの映画の存在を教えてくれて、なおかつこんな日に身重のからだをヨイショと動かし観に来た妊産婦のほうがよっぽどどうかしている、と思いました。面白かったです。