荷造りの森(『レイチェル・カーソンの感性の森』)

荷造りが一向に進まず、講演会の原稿も進まないお話でした。ウソです。化学物質の危険性を訴えて非難されて癌になって、引き取った身寄りのない甥のこれからを心配しながら死んだという話です。いいえ、荷造り進まないもウソじゃないです。どっちも本当ですし、とてもいい映画でした。女優さんがレイチェル・カーソンを演じてドキュメンタリー映画風に仕上がった作品です。あえて淡々としたインタビュー形式をとることでこっちサイドのイマジネーションがより広がるね、というタイプのやつです。震災や原発のお陰で人々の意識が高まっている為、意識の高き人々がわんさと押し掛け、先日の『100000万年後の安全』のように入場規制がかかるのではあるまいか、と心配したのですが真っ先に入れましたし、席も空いておりました。わたくしの真後ろに座ったおっさんが上映が始まってすぐから終わるまで、ずっと独り言を言いながら観ていました。気にはなりましたが、アップリンクの椅子が家の椅子みたいなやつだから自宅と錯覚したのかもしれないな、と気付いたので心は平穏でした。違う視点で物事を考える、という一手間をかけることで容易に己の感情をコントロールすることができます、という大人アピールです。