ヤ イポンカ!

挾み撃ち (講談社文芸文庫)

挾み撃ち (講談社文芸文庫)

みなまで言うな。そうですね、またしても講談社なんちゃらですね。えー、どういう話かと言いますと、ある男が若いころ着ていた歩兵用の外套のことをふと思い出し、その外套がいつどこで自分の手元からなくなったかを捜し歩く、という内容です。若いころに下宿していた家を訪ねてみたり「外套」にかかわるところを歩きまわりますが、特に謎解きとかミステリー要素はなにもありません。ただ歩き回るだけです。ゴーゴリの「外套」と重ね合わせて話が展開したり、あと聞き間違いの描写が出てくるのですが、そういうところでうまいなぁ、さすがプロやでと思いました。九州弁の兄弟、性病検査に行った先の医者、みんな普通の人ですが会話が面白いのでちょっとクスリとします。「薬」ではありません。「クスリ(笑)」です。読んだらいいと思います。ゴーゴリが好きな人にもおすすめだと思います。わたくしはロシア文学が好きなので、女ですが「ミキコフ」と名乗っております。ロシア料理も好きです。おいしいですよね。しかし友人のしゃく子さんは北方領土を返さないからロシア人もロシア料理も嫌いだと言っています。「サハリン」と言うと、「違います。樺太です。」と訂正されます。みんなしゃく子には気を付けて下さい。