面白き事を面白く伝えるのは難しい。

残光のなかで (講談社文芸文庫)

残光のなかで (講談社文芸文庫)

面白いぞ!こういう感じで日記が書けたらいいなぁー、と思いました。著者のフランス滞在中の体験がモチーフになってるようです。滞在先でのスゲー無愛想なパン屋のおばさんとの心理戦を描いた「メルシー」は、この作者、実は面白ノイローゼなんじゃないか?と思う程でした。なぜかと言いますと、たいへん面白かったからです。戦時中の少年時代の淡い恋バナ「糺の森」も捨てがたいのですが、「リサ伯母さん」の妻と夫のどちらがボケ始めているのかわからない結末、ってのもかなり良かったです。面白い文章を読むと、自分も面白くなったような気がして非常によろしいですね。