禅問答。

三題噺 (ちくま文庫)

三題噺 (ちくま文庫)

加藤周一の書籍はそんなに沢山読んだわけではないのであまりどうこう言えないのですが、これまで読んだものは「おぢちゃんには難しくておもんなかったよ。」というかんじでした。しかしこれは面白かったです。一休宗純、富永仲基、石川丈山の霊と会話するという内容で、完全に空想の世界のお話です。富永にかかわった霊との会話は禅問答を彷彿とさせて大変良かったし、一休と暮らした女の霊の話も叙情的な短編を読んでいるようでこれもまた面白かった。恥ずかしながら石川丈山はあまりよく知らなかったので、前知識が少しでもあればもっと面白かったのではないかと思わせる内容でした。あまり理屈っぽさがなくて加藤周一初心者にはいいのではないかと思いました。でも個人的な感想なので、「おい、ばばあ!おまえがイイというから読んでみたらちっともおもんなかったぞ!」と思われることもあり得ることですのでお含みおきを。かといって、お含むかお含まないかは個人の自由なので強制ではありませんのでご安心ください。