コウモリはどこへ。

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浦沢直樹って周辺の人に大変恵まれた人なのだなぁといつも思います。特に長崎氏の存在は。当然本人にそういう好運を惹きつけるものがあるのでしょうが。どの作品も、とにかく最初の滑り出しが異常にうまい。これは次読むよね、という展開が素晴らしい。あと、個人的に画も好き。プルートゥなんて、あの偉大な手塚作品を別視点から書くという、どうやったって負け戦になりそうなことを、あんだけ面白くするんですからゴイスー。
今回の「BILLY BAT」は、戦後最大のミステリーとか、国鉄三大ミステリーとか言われている「下山事件」を題材にした漫画。モーニングの中吊り広告みてもうどんだけ。気になるにきまってるでないの!このばかたれが!と憤慨しました。日系アメリカ人のケヴィン(主人公)の書いた漫画のキャラクターが、日本人が書いたものを図らずも盗作しているのではないか?というところから話が始まります。それを確かめるために日本へ行き、ある事件に巻き込まれる。そして日本人の漫画家にたどり着くのだが、いつの間にか漫画の中の物語と現実の世界がリンクしてさらに大きな事件へと巻き込まれていく…。といった内容です。下山事件との奇妙なつながりや、白洲次郎の登場など期待させるつくりになっており、今後まったくもってして目が離せません。