水好きだな、この人。

螢川・泥の河 (新潮文庫)

螢川・泥の河 (新潮文庫)

海やら川やら、この人の作品は水が多いな。
それはさておき、
「泥の河」ですよ。なんてったって。
戦後の混沌とした日本を、
少年の目線でとらえた作品なんですけど、
重いなぁ。
情景描写が絵画的だなぁ。
有名なカニが燃える場面なんて、はっとする。
宮本輝って、情景描写が過剰な気がして
あんまり・・・・、なんですが、
これはとてもよいです。
子どもが直面しなきゃならん現実が、
あまりにも重過ぎるし、
でもそんな現実は
この時代そこいらにゴロゴロ転がっとったわけで。
うむー、世の中は厳しいのう。
小栗康平が映画化したのもわかる。
てか、映画良かったなぁ。
喜一の母親役が、加賀まり子。キャスティングすばらし!
小説も、映画も子どもがメインなんだけど
あざとくないから好き。
あざといの嫌い。