鉄板だ

夜の来訪者 (岩波文庫 赤294-1)

夜の来訪者 (岩波文庫 赤294-1)

戯曲でよくありがちな設定なのです。
もう、なんといいますか、
The戯曲!
富豪の男、その妻、娘、息子、娘の婚約者。
この富と名声を手に入れた家族は、
ある夜、娘の婚約祝いのパーティーを開きます。
そんな素晴らしく幸せな場面に、
一人の男が登場して、状況は一変するのです。
男は、この日自殺した女性の話題を持って
この家にやってきたのですが、
家族全員が、何らかの形でこの女性にかかわっていたことが
次々に暴かれていくわけです。
どうですか、このデジャヴな展開。
つまらないわけがない。
相当昔の作品なのに、相当おもしろい。
人間の黒い部分が、精巧に描かれており、
最後の台詞も素晴らしい。
短い戯曲なのですが、
しっかりエンターテイメントしてます。
ぜひともご堪能いただきたいものです。