黒猫。

先日、実家に帰ったらウッドデッキに黒猫がいました。年末年始に帰郷した際にもいた猫です。正月に接近することに成功したのですが、今回もどうやら覚えていたようで、私の顔を見て「あんた、エサくれる人じゃろ。」という態度で近寄ってきました。おお、エサをやるから仲良くしてくれよと、ちくわをあげたら「なんか、このうまいやつは!え!?なんな、あんた、このうまいやつは!!」と食べながら頭を私の手に擦りつけるという、なんかよくわからないことになっていました。しかしこの猫は、本当はおかはんに相手をしてもらいたいので、わたしになでなでされながらチラチラと床に臥せっているおかはんの様子をうかがっています。おかはんが重い腰を上げてやってくると、とたんにころんと仰向けになり、からだをくねくねさせたり、四肢を目いっぱい伸ばしてうっとりした表情になります。おれにもそれやってくれよ。と思いながらおかはんに腹をさすってもらい「ひゃー、こらたまらんばい。」と満足げな猫を眺めていました。いまいましい猫めー、おれにもうっとりしてくれたってええじゃないかね。すると、くるっと素早く立ち上がり何かを警戒し始めました。二階からおとんが降りてきたのです。そして猫は無表情でスーッと立ち去って行きました。おかはんが、「おとうさんが来たら帰って行くとよ。なんでじゃろかね。」と言いました。猫、おまえもあのおじさんがいやなのか、そうか。わかるよ、その気持ち。かあちゃん、おれは猫の気持ちがすごくわかるよ。と思いながら、「なんでじゃろかね。知らんけどなんかあるとじゃろ。」と答えました。