ワンドリンク。

行きたい催し物がライブハウスで行われると知ると若干躊躇することがあります。だいたいそういう薄暗い雰囲気重視的な建造物ではワンドリンク制になっているからです。ワンドリンクはだいたい500円ぐらいだと思うのですが、チケット代と別に現地で支払うというシステムになっています。たまに、最初からチケット代に加算されている場合もありますが、経理処理の関係でしょうが、おおむね別会計になっています。チケットをもぎられ、入場すると先にドリンクを注文せよと案内されます。「ライブハウスの催し物だなんて、お酒をのまなくっちゃいけないの?」と心配な方はご安心ください。わたくしもそうですが酒が飲めない人はソフトドリンクを選択することが可能です。わたくしの場合、炭酸類があまり得意ではないので普通のおジュースやお水を飲むことになります。おジュースはかえって喉が渇くという事態を招きかねないので、ここはただの水をチョイスします。メニュー表には、大抵「ミネラルウォーター」と表記されております。「ミネラルウォーターを。」と言って、ドリンクの引き換え券または現金をおしゃれなハットや無造作ヘアーのスタッフの方に渡すと、500mlペットボトルの水を手渡されます。ペットボトルの水代に500円かよ!セレブか!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。違います、人件費です。また、この500円でアフリカの子どもたちを救うワクチンがたくさん買えましょうが、そういうこともここではちょっと考えないでください。この金額はどうでもよくないけど、どうでもいいのです。わたくしがどうもワンドリンク制に引っかかっているのは、「なんで飲む飲まないを強制されないといけないんだよ。」というところなのです。水分を欲していないタイミングで、まず水分を摂れと液体の入った物体を持たされます。今じゃないんだよ。中盤辺りで自分のタイミングでやらせてくれよ。もしかしたら水分いらないかもしれないじゃないか。おれは飲み食いを強制されている感がすごくいやなんだよ、と荒くれた気持ちになってしまいます。飲みたくもないものを持たされて手がふさがりますし、序盤で水分をとらされると小便のタイミングが完全に催し物の佳境で佳境をむかえます。わたくしは尿意の佳境の為に来たのではない。この催し物の佳境の為に頑張って来たのに、です。そして人々は同じようなタイミングで手水場にかけこみます。手水場には行列ができます。なんの試練でしょうか。500円でなにかの修行をしているということでしょうか。滝行だと何千円もかかりますところを、500円で修業が…!そんなことはどうでもいいのです。わたしは、わたくしという人間はなぜ純粋にものごとを楽しめないのでしょうか。これも試練でしょうか。試練多すぎるわい。