にく。

このコンクリートジャングル東京で労働するようになって10年以上が経ちました。社会人になってからわたくしは気付きました。世の中の人々はすぐ肉を食いたがる、と。何かっちゅうと焼肉に行こうとします。これはどういうことなのでしょうか。お手軽なのでしょうか。厨房で上手に焼ける人が上手に肉を焼いて、出てきたものをアハハウフフと食べるだけの方がお手軽だと思うのですが、そうでもないんでしょうか。わたくしは肉ももちろん好きですが、「焼肉ヤター!」とはなりません。子どものころからです。肉が特別な食物であるという認識があまりないのです。勘違いされては困るのですが、地方の公務員の家庭に生まれ育ちましたので、けっして金持ちではありませんから肉を食い飽きたとか、そういったことではありません。しかし、会社の人々でどこか行きましょうとなる時、人々は「焼肉ヤター!」をしようとします。ところがです、わたくしが不思議なのはだいたいにおいてこの人々は焼肉を食い残す、ということなのです。そんなにも食べたかったはずの肉を、です。おんなたちは数切れですぐ「おなかいっぱぁ〜い。」と言い出します。おまえたちの胃袋はお飾りなのか。財布を別に持たなければならない、パーティー仕様の邪魔くさいバッグか!(たとえツッコミです)そしておっさんたちは、時間が経つにつれ酒がメインになっていくので網の上には焼け焦げた肉が残ることになるのです。わたくしはそのような焦げ予備軍の肉たちを別の取り皿に救出するなど行動を起こすのですが、そのようなことをしていると、「お母さんみたぁ〜い。」と言われます。おれをこんなふうにしているのはだれだ!おまえたちだ!肉をくえ!責任もって牛さん、豚さん、命をありがとうと肉をくえ!煙にまみれて髪の毛の芯まで臭くなりながら命を食い尽くせ!それが、焼肉やりたがりの義務であろうに!すみません、年甲斐もなくちょっと熱くなってしまいました。とにかく、肉を食いに行くと決めたら食い尽くしてください。だってあなたたちは肉が食いたかったのですから。目的を見失わないでください。よろしくおねがいいたします。