ミキコフお見舞いへゆく。

入院して約2ヶ月。リア友リカオちゃんのお見舞いに行った。駅からすぐだったから、「楽勝だったなぁ。ちょっと早く着いてしまった。」と思ったがそうでもなかった。それはそれは広大な敷地の病院だった。「なんだべ!まるで町みてでねが!」と田舎者丸出してキョロキョロしてしまった。しかしそこは鉄仮面ミキコフであるから、まったくおすまし顔で、慣れた感を前面に押し出して総合受付のある病棟までてくてく歩いた。目的とは別の薄暗い古めかしい病棟を経由し、しばらく歩くと急に最新鋭の感じを出してきよる病棟に到着した。受付で帳面に氏名等記入し、入館のカードと面会証のようなものを受け取りエレベーターホールに行った。たくさんの家族たちが来ていた。幼き子らはもうすでに飽きているようで、「おなら!おなら〜!」を繰り返し、親に怒られるなどしていた。「まったく、こどもはおならが好きさね。」と思った。エレベーターに乗りリカオちゃんのいる階に到着。病室はすぐに分かった。リカオちゃんは歯を磨いていた。「あっ、マザーごめんね〜。」と言われた。何がゴメンネなのかまったく思い当たる節がないのだったが、条件反射で「いいのよ。」と言った。もっと面白い返しはなかったものかと反省した。入口のマスクを装着し、手を消毒してリカオちゃんのベッドの横に椅子を出して座った。リカオちゃんが入院してからのあれやこれや、今後のことなどつもるはなしをしていると、隣のベッドのご婦人がぐうぐうと鼾をかき始めた。入口で「こんにちは。」とあいさつをした時はとても上品そうなご婦人であったから、それからは想像できないなかなかの爆音であったためナヌーとなった。するとそれを察したのか、リカオちゃんは耳栓をわたしに見せながら、「必需品なの。」と笑った。わたしたちは二人でウフフと笑った。それにしても、こころがしんでロボのようなわたしはidを「衣笠」にしてもいいぐらいの健康であるのに、それはそれはナイーブな乙女であるリカオちゃんがこんなたいへんな思いをせんならんとは、どうにかならんもんかと思った。リカオちゃんが「歩いたほうがいいのよ。」と言ってきかないので、入院棟の入り口まで見送ってもらった。外に出たらいい天気だったのでなみだが出た。次は手ぶらで来てねと言われたので、次は全裸で行くことにする。