社員証。

社員証というのがございます。会社勤めする者は必ず持たされると思うのですが、最近ではセキュリティーの関係で、その社員証ICカードとなっており、ビルへの入館だけでなくPCやコピー機に至るまで、それが無ければ機能しないシステムになっています。各社社員証の携帯規定はさまざまだと思いますが、わたくしの勤務先では首から下げるやつを採用しています。カード自体は軽くて薄いものですが、それを入れるケースが、磁気の異常を防止するためらしくわりとしっかりした作りで意外と重いのです。それを一日中首からさげているのですから邪魔で仕様がありません。わたくしなどは社内の雑用係ですので、何かを移動させたり運んだりなどの作業も発生します。首からぷらんぷらんしてわたくしの業務を阻止しようとしてきますから、スカートのベルトに挟んでおくといったひと手間が必要となり、その都度「ん、もう!」となるのでした。さらにこの不便さは物を運搬する時だけではありません。書類を取る時手に紐をひっかける。急いで立った時椅子の肘掛けに紐をひっかける。ひっかける度に首がグゲとなります。おれはこんなことでしぬわけにはいかないのだ。手に持ち歩くとうっかり置き忘れることも想定されますから、身に付けるのがもっとも安全なのはわかります。しかしメリットといったらこの「なくさない」の1点のみで、あとは肩がこる、作業の邪魔、外し忘れて首から下げっぱなしで帰宅してなんかちょっとはずい、さらに発展的な人であれば、首に付けること自体なんか会社に飼われているような屈辱的な気分になる、見えない権力に管理されているようで憤りを感じる、等デメリットしか発生しないような気がします。始終首にさげなくてもよいではないか、と思われる方もおられるかもしれませんが、なんとこの社員証をかざさなければ各フロアのドアロックか開錠できないため、社内を移動できなくなるのです!仕事が滞るだけでなく、トイレにもたどり着けませんから、排せつの自由すら奪われるのです!女の子はおしめを換えたい時だってあるのだ!おんなにも人権を!話が逸れましたが、わたくしが言いたかったことは社員証を首からかけたくない、ということだ。ただそれだけだ。おれをなめるな、だれがさげてなどやるものか。(今日もしっかり首から下げています)