向上心。

わたくしの永遠の課題です。幼少期から、通知表にも書かれ、親にも言われ続けてきたことの一つがこの向上心です。わたくしには向上心がありません。まったくないってことはないでしょうよ、と思われるかもしれませんが、まったくないのです。なさすぎて、何者にもなっておりませんし、何一つ極めたものすらありません。こころがしんでいる、と感じる大きな要因がこれの欠如からきているのではないかと思われます。先日、写経ぱみゅぱみゅ(書道)のとあるパーリーがあり、参加してまいりました。それは授賞式と懇親会を兼ねたパーリーだったのですが、大賞を受賞された方がスピーチで「わたくしは、昨年出品した際、悔しさでいっぱいでした。ですから今回はあえて難しい課題で挑みたいと、自ら先生に申し出ました。」と仰り、感極まって涙されていました。その方はいつもクールでユーモアのあるかっこいい方なのですが、そんなクールな方がたいへんな闘志を燃やしておられたとは!かっこいい!と思いました。そして、そんなふうにやってやるぞ、という気持ちがもてるなんてうらやましいとも思いました。わたくしは、文字だけではなく、書く文章も無表情で面白みがないのですが、あの人のような向上心があったならば多少は表情があるものになっていたかもしれません。否、なっていたと思います。剣道部に所属していた中学時代、少しは向上心を持たなければと、向上心を持った自分像に寄せて頑張りましたが、何も変わりませんでしたし、そもそも剣道部は全然楽しくありませんでした。乳揉み会社にいた時も、上司や先輩に「向上心を持て!」と言われ続けまして、なんとか自分を奮い立たせて「やってやるぞ!あいつには負けないぞ!」と思うことを頑張りましたが、わたくしがやってやるぞとなると、まったくいい結果を生み出さないということが分かりましたので、無理をするのはやめました。わたくしには生まれつき「向上心」をコントロールする能力がなかったのです。これから先、わたくしがやってやるぞ、となるべき時がくるのでしょうか。まだその時がきていないのかもしれませんが、きたとしたらやっぱり何も生み出さないという確信があります。ですから何人たりともわたくしに「向上心をなんとかせい。」と言わないでほしいです。何ともならないのだから。