60秒。

素敵OLさんととある飲食店でランチをしました。オレンジジュースを頼んだのですが、ストローを吸ったらコーラが出てきました。世の中には科学で解明できない不思議なことがあります。目に見えるものだけがすべてではないのです。蓋を外し、高速でかき混ぜ、炭酸を抜いて飲みました。素敵OLさんが、「炭酸苦手なんでしょ?ちゃんとオレンジに変えてもらった方がいいわよ。」と言ってくれましたが、ちょっとした手違いのせいでこのコーラは誰にも飲まれずに捨てられるのであり、そもそも500円程度の飲食代なので、500円程度のサービスとはこんなものであるよと考えていますから別にどうでもよかったですし、たまにはお前コーラでも飲んではじけてみんしゃい、という啓示なのではと感じ、「いいわ。あたし飲むわ。」と飲みました。これはオレンジジュースだ、と強く思い込むことであたかもオレンジジュースのように感じる、ということがあると聞く。わたしはそれをオレンジジュースだと思って飲みました。コーラでした。炭酸を抜いたので、結果はじけることはできませんでしたが、おもてた以上にケミカルな甘さを感じましたので、いつもと違った新鮮な気持ちで午後の労働に励むことが出来ました。よく冷えたポテトをかじりながら、クルーのうっかりを引き起こしたのは、1分以内に商品を提供しなければならないイベントのせいであると思いました。あのサービスはハナから60秒を超える事を前提に始めたのだと勝手に思っています。ひるめし時などの混雑する時間帯など到底無理に決まっているのですから。ただ単に無料券を配るより、何か一つゲーム性のようなことを付加して配ることにより、CM効果を狙ったものであり、客に「得した感」「ちょっと待たされたけど許す感」を与えようとしているのではなかろうか。実際、その日ほとんどの客が無料券をもらっていました。無料券を手にした人間は無料券を使わずにはおれますまい。人々は無料券を手に再びこの地を訪れるであろう。われわれは結局あらゆるものに操られているのだ。という、穿ったものの見方しかできないのが、ミキコフ、このわたしです。しかしジューシーチキンフィレオは美味しかったです、どうもありがとうございました。という感謝の気持ちはまだ忘れていません。あと、コーラはどんなことがあってもコーラです。安心して下さい。