ジャンボ。

そう、「美容室」ってものに初めて行ったのは小学2・3年の時でしたね。いわゆる「おかあさん床屋」ってのが当たり前でしたからね。ええ、そうです、あのおうちでおかあさんがチョキチョキするあれ(笑)たしか伯母の旦那さんが癌で入院していて、おじさんの術後の検査を待っている間に美容室に行ったんですよ。東京に住んでいるいとこが戻ってきてて、結果を待つ時間が長いし、なんかせずにいられなかったんでしょうね、「わたしがお金だしてあげるから、ミキコフちゃん一緒に美容室行こう!」と言って連れて行かれたんです。毛量が尋常じゃないうえに、一本一本の自己主張が激しいんですよ、わたしの髪の毛。だもんで美容師さん困ったんでしょうねー、梳いて梳いて切って切って、できあがったのがジャンボ尾崎(笑)え?(笑)そうですよ、襟足残し〜ののアレ。いやそりゃそうですよ、ショックでしたよ〜。鏡に映ったわたしがジャンボですよ?しかも小さいころガリガリのブスだったんでね、それがジャンボになったって想像してみてくださいよー、悲劇ですよ、ええ。ガリガリのブスだって女の子ですからね、かわいくなりたかったわけですよ。それが、蓋開けてみたらジャンボ(笑)。いとこは「ヤダ〜、かっこいい!これで東京歩いても恥ずかしくないヨ!」と言っていたんですけど、「おれは明日東京は歩かないんだよ。おれは小高い丘の上にある田舎の学校に行くんだよ。だのにジャンボだなんてあんまりだよ。恥ずかしいにきまっているじゃないか。ていうかジャンボってあんな頭で東京の町歩いてるのか、すごいな。」って思いましてね、でも美容師のおばちゃんもいとこもキャッキャ言って喜んでますからそんなこと言えませんでしょ?子どもなりに空気読みましたよ。病院に戻ったら母がいましてね、私を見た第一声が、笑いながら「髪はすぐ伸びる。明けない夜はない。」でしたね。なんにも言わなくったって、わたし、きっとそういう顔してたんでしょうね。え?その後どうしたかって?学校行ったらみんなびっくりしましたよ。ええ。だって昨日までキノコ頭だったミキコフちゃんがウルフカットですからねぇ。それ以来美容室には行かなくなりましたね。高校の時は自分で切ってましたし。あ、ごめんなさい。こんな話どうでもよかったですね、で、ご質問はなんでしたっけ?