ネジ家訪問。

ナイーブなネカマのインターネッ友(以下、ネッカマ)が、「すごブロガーのネジ子の赤子に仏の絵本をあげたいが、子育てその他諸々で忙しそうであるから、アポをとるのが恐ろしうてならぬ。代わりにアポをとってはくれまいか。」と言ってきました。ナイーブすぎるやろがい、とたいそう不安になりましたがナイーブをこじらせて可哀想であるから、よろしいと引き受けました。そもそもおネジさんとネッカマはわたくしなんかよりもずっと前からネッ友しており、新参者のわたくしが代理でアポを取るというのは、これはなかなかにこじらせているエピソードだと思います。ネッカマが自身の余りあるナイーブにいつか殺されるのではないかと心配でなりませんが、人のことなのでどうでもいいです。わたしはわたしの人生で精いっぱいです。おまえなど全然精一杯生きてないじゃないか、そこそこで生きているではないか、というご意見もあるかもしれませんが、私の尺度では精一杯なのでそういうことは言わないでください。おまえの尺度でおれを測ってくれるなよ。おれのことはおれが一番よくわかっているのだ。さて、そんなわけでネッカマを伴ってネジ家を訪問したわけですが、子ども好きのネッカマはなんとか子ネジちゃんを機嫌よくさせようと持ってきた「おしゃかさま」の絵本をみせながら、「ほらほら〜、おしゃかさまだよ〜。」と言ったり、眼鏡を前後させて「ほらほら〜、ケントデリカットだよ〜。」と言っていきなり距離を縮めようとしていました。もちろん泣かれました。子供との距離感もとれず、ましてや大人との距離感もだいたい間違っているので、「この人はいったいなんの距離感ならつかめるのだろうか。」と思いました。また、わざわざオタマトーンを持ってきてアメイジンググレイスを演奏しておりましたが、そのテルミンのような不安定な音は子ネジちゃんには大変不評だったようで、音が出ている間終始しかめっ面を決め込んでいました。しかし、その母であるおネジには大変好評でしたから結果良かったと言えましょう。その後もネッカマは、紙袋をかぶり、その上から眼鏡をかけて「ビークルだよ〜。」とずいぶん捨て身なコミュニケーションをとるなどしておりましたが、子ネジちゃんは笑顔を見せるようになり、ネジ猫もずっとネッカマの膝に乗って丸くなっていましたから、ネッカマはネジ家のすべてに無事受け入れられたのでした。あと、子ネジちゃんはわたしの顔を見る時はなぜか無表情で凝視するので、私の心が無表情なのであろうと思いました。よき一日でした。