働かない血。

「ミキコフさん、8月は休まないんですか?というか、ミキコフさんてあんまり休まないですね。仕事好きなんですね。」
隣のデスクのシタンさん(30代男性妻子あり)に言われました。仕事が好きな奴なんかこの世の中にあるものか。まれにおろうが、そんなもん一握りだ。わたくしは「働く」について好き嫌いを考えたことがありません。自分の能力でなんとかできそうな仕事を選んできただけです。さらに言うなら「働かない」ということに大変不安を感じます。物心ついた時、身近に「働かない」大人たちがいました。「働かない」大人たちは働かないくせに遊ぶことばかりして、人にしてもらうという能力だけが異常に高かったので、母が大変苦労しました。正月のあいさつなどでたまに会うことがありましたが、ごみ箱みたいな家(もはや小屋)に住んで、生活保護と借金しながら酒を飲んで偉そうなことばかり言っていたのでこども心に「はよしなんかね。」と思っていました。祖父の葬式で、働かない大人たちは「え?宝塚?」というぐらい大げさに棺に突っ伏してオイオイ泣きましたが、葬儀代の話になった途端、一斉に逆切れをしだしました。自分たちはこんなに苦しい状況なのだを主張し、実の親の葬儀代を払わないの一点張りで頑張っていました。当時中学生だったわたくしは心がスンッてなりました。残念なことにわたくしは父を介してその大人たちと血がつながっています。「わたしは大人になったら働かないうんこ人間になってしまう。」という恐怖感を常に持っており、どの時代もほぼ皆勤野郎でした。怠けたらうんこになってしまいますから死活問題です。説明しよう!ミキコフは怠けるとうんこに変身するのである!実際根本的には怠け者ですし、労働なんてきらいである。しかしうんこにはなりたくないからわたくしは今日も働きます。シタンさんにこう言いました。「仕事は好きではありませんが、お金が好きなので働きます。」シタンさんは、「お金はいいですよね。いくらあっても困らないのはお金だけですね。」と言いました。ゆけ、ミキコフ。お金のために!老後のために!