闘うおかあさん。

いとこの娘が出産したそうです。あの子がお母さんになりましたか、と時の流れを感じました。彼女は幼少の頃、ものすごい癇癪持ちであり、駄々のコネ方がずば抜けていました。駄々選手権が開催されたらば、必ずや勝利を収めたことでしょう。店で買って欲しい物があると、買って買って攻撃が始まります。この買って買って焼夷弾はあっという間に燃え広がり、市中を暴れまわります。逃げても逃げても追ってくる火の手。母親がお手上げ状態になると、号泣爆弾攻撃に変わります。「号泣」を超越していたかもしれません。あれは何と申しましょう、「轟音」と言うべきでしょうか。駄々一等兵は最終的に喉を潰します。自らの喉を潰し、勝利を手にするのです。生まれながらの特攻魂。駄々は子に遺伝するでしょうか。そのようにして連綿と受け継がれてゆくのでしょうか。母に「わたしもあんげな駄々こねよったかね。」と聞いてみましたところ、「いや、あんたも兄ちゃんも駄々こねて困ったゆうことはなかったよ。最初に駄々こねたときに、お前の駄々ごときにわたしは動じん。ってとこを見せたらそれでしまいよ。一発目が肝心よ。勝負じゃもん。そしたらもう次からはせんなるて。」と言われました。勝負とは!!いったいどんな態度でわたくしやおにいに…。あのお方は、樺美智子さん死去のニュースを見て、「うわー!負けたー!こんげな時代にも命かけて戦う女がおるとや!!て思った。」と言っていたので、なんでも勝負に変換する人なんやなと思いました。ネジ婚式に行くのでわたしは白髪と戦います。染粉買って帰ります。