酒とミキコフ。

(株)前科の頃、年に2・3回程度ですが本社から会長が視察(という名のただの遊び)に来るので、その日は終業後に(ミーティングと言う名の)飲み会をしていました。わたくしは酒を一切飲まないので、お湯割り等の酒の作り方を知らず、飲める女達にまかせっきりでした。ある時、いつも酒を作る係の女子が休みでなんとなくわたくしがやらねばなるまいと思ったのですが、塩梅を知らないのでもたついていると、会長に「どないしてん。」と言われました。わたくしは「すみません、わたくしお酒を飲まないので塩梅がわからないのですが、教えて下さいませんでしょうか。」と聞いたのです。会長は、大袈裟に身体をのけ反らせ、「ハ〜?お前酒作れへんの〜?あかんで、この子!」と叫びました。わたくしは「大仰だなあ。」と心がスンッとなりましたが、「すみません、これを機に覚えます。」と答えました。「あかん、そらアカンて〜。お前モテへんやろ!(爆)もー、しゃーないなー、オレが教えたるわ!よう覚えとけよ〜!」と蘊蓄まぜまぜ教えてくれました。わたくしは、「勉強になりましたー。どうぞー。」と初めて作ったお湯割りを会長に渡しました。会長は一口飲み、「まあまあやな。せやけどあれやな、酒飲まれへんて、おもんない人生やで!」と言いました。アハハハハ〜!とわろときました。翌日、出社すると、同席していた後輩が「ミキコフさんすごいですね。あんなゲスおやじに教えて下さいって作ってみるなんて。大人ですね。私だったら“社員にボーナスも支給できないくせに、酒ぐらい自分でつくれやボケ!”って思っちゃいますよ!」と言ってきたので、「酒をもっともっと飲んで肝硬変になれ。全身黄色になれ。と思いながら作っていましたよ。」と答えましたら、「大人が過ぎてこわいです。」と引かれました。わたしもこわいです。