NGワード。

つい先日、電車で「ぶ」の付く言葉を言い続ける男児に遭遇しました。母親と一緒に座っていましたが、「ブ、ブドウ!ブタ!ブカブカのパンツ!ブ、ブ、ブーっとおなら!ブ、ブリブリーー!うんこブリブリー!ブラブラち〇こ!アハハハーー!」と、いかにも子供らしい「ぶ」を言っていました。母親は黙って雑誌を広げていましたが、男児が「ブ、ブーー、ブラジャー!」と言った瞬間にヘッドロックのような形で彼の頭を抱き寄せ、口を押さえたのです。どうやらブラジャーはダメなようです。うんこやち〇こは可でブラは否。なんと申しましょうか、この感じを。恐らくですが、ブラは女性を連想させるものなので、「そんないやらしいことを言ってはいけません。」ということなのでしょう。しかし、まあうんこは子供と切っても切れないワードなので良しとしますが、ち〇こはダイレクトに「性」ではありませんか。排泄を司る部位だから良しとされたのでしょうか。いろいろと考えておりますと、今度は「ち」の付く言葉を言い始めました。チーズやチワワ等、「ぶ」の時よりも可愛らしいワードが続き、ああ、さっきのは気のせいであったか、とホッとした瞬間、「ちっちゃいブラジャー!」と言ったのです。母親はまたヘッドロックしました。そして小声で、「おまえ、いいかげんにしろよ。」と言ったのです。ブラに対する憎悪尋常ならざリ。何かあったに違いありません。ある日、夜中に物音で目が覚めると、隣にいるはずの夫の姿がない。そっとリビングへ行ってみると、ブラを着け、至福の表情でソファーに腰かけている夫がそこに。お母さんだって一人の女です。いろいろあるのです。お母さんがんばれ、心の中でそっとエールを送りました。