探さないで。

今の会社で働く前までは、社員がすぐ辞めてゆく、すぐ採用、すぐ辞めるのループループな会社にしか勤めたことがなかったので、あらゆる「辞め方」を人並みには見てまいりましたが、先日わが社が管理するビルの清掃の方が突然「置き手紙」をして辞めてしまったと聞き笑いました。とても笑いました。とても面白かったからです。管理を担当するぼくちゃんは「あー、また面接とかし直しだよー。もーーー。メンドクサー。」と嘆いていましたが、わたくしはあたまの中が「置き手紙」でいっぱいでしたのでぼくちゃんの苦しみを1ミクロンも理解してあげられませんでした。どんな置き手紙だったのでしょうか。「北へ行きます。探さないで。」でしょうか。「モップやサンポールのことを考えると夜も眠れません。」でしょうか。便箋はごくシンプルなものでしょうか。キティちゃんや、なんのキャラクターかわからないやつが所狭しと印刷され、「これ、どこ書くねん!どこ書くとこあんねんwww」的なメモ用紙とかでしょうか。置き手紙をすれば仕事を辞められると思っているあたりがずいぶん病んだ方だったのだろうなとすぐわかりました。突然連絡が取れなくなった、という症例は何十件と見てきましたが、置き手紙もこの症例と同等だと思います。黙って去って行くわけではないからよかろうもん、と思っているのかもしれませんが、違うぞ。まちごうとるぞ。