白米で泣く。

「ミキコフさんて泣く時あるんですか?」
ありますばい。にんげんですから。と心の中で答えました。ランチの時にOLさん達(食貪さん含む)と映画の話になり、あるOLさんが「わたし、子どもの頃南極物語見て大泣きました!」と言いますれば、我も我もとOLたちが泣いた泣いたの大合唱になりました。わたくしが黙っておりますと、「ミキコフさんは観たことないですか?」と聞かれましたので、観ましたし、犬たちが頑張っていて感動しましたが泣いた記憶がありませんと言いました。その流れでの先の質問になるのですが、南極物語で泣かないとこういう質問をされますので充分にお気を付け下さい。わたくしはこのまま冷徹人間と思われては困ると思い、「火垂るの墓」はおにいと見て泣きましたよ、と言うとOLたちは安堵の表情をうかべ、泣いた泣いたの合唱再びでした。節子がやせ細っていく様や、清太が節子にスイカを食べさせるシーンが泣けたと言い合って場の空気が上昇し始めたので、わたくしも「母親の着物をおばさんが売ると言って節子がいややいややと大泣きしたのに、着物が白い米になったら美味い美味いと上機嫌でおかわり〜!と白米を食べるシーンで泣けてきました。」と泣けたシーンエピソードをぶっ込んだら、あっという間に地獄みたいな空気になってしまいました。「え?冗談でしょ?w……え?…ホントに!?え??…。」食貪さんはまるで悪魔にでも遭遇したかのような目つきでわたくしを見ておりました。台風が来ています。いろんな意味で。