或るバナナ。

しゃく子さんと「とんでったバナナ」の話をしました。「とんでったバナナ」は皆さんご存じのあの、バナナンバナナンバーナーナーのやつですが、バナナがとんでったそもそもの原因はなんであるか、が議題としてあがったのです。我々のどちらもが肝心の歌詞を正確に覚えておらず、たしか誰かが食べようとして逃げ出したのではなかった、というあいまいな答えしか出せませんでした。わたくしはインターネットで調べました。インターネットは答えだけでなく友達もくれるので本当にいいやつです。あいつが幸せにならなきゃ世の中どうなってんだって話だよ、なあ。さてその調べた歌詞ですが、子どもが二人で取りあいっこをしていたようです。その子らからするんと逃げ出したバナナは小鳥の巣へ逃げ込みましたが、小鳥に食われそうになりまた逃げ出します。そして一人踊り狂うワニの元へ。どうやらワニとは意気投合したのでしょう、ボンボコツルリンボンツルリと二人して踊り始めるのです。想像して下さい。孤独なワニと逃亡生活を続けるバナナが、ボンツルリと踊る様を。楽しげでもなく、面白くもない、そこにあるのはかなしみだけ。どんなに互いの傷を踊る事で誤魔化そうとしてもそんな時間が長く続くわけありません。調子に乗りすぎたバナナは自分の意志とは裏腹にまた飛んで行ってしまうのでした。ワニはまた独りになったのです。そして逃亡の果てに衝撃のラストがバナナを待ち構えているのでした……。“SENCHO” Coming soon.......