オニクリームパンケークオフ

以前、リア友のリカオさんとオニクリームパンケーキの店に行ったのですが、その際にクリームの鬼さ加減を完全になめていたため、せっかくの美味しさが半分になってしまうという、新聞には載らない小さな、でもわたくしたちにとっては大きな事件が起きました。写真で見たオニクリームは、実際のオニとはあまりにも差がありすぎたのです。食べ切れなかったのです。最後の方など味わう余裕がなくなり、ごめんなさいとつぶやいて、そっとフォークを置いたのでした。そんなことがあってから、これはもう一度おいしくいただきたい。ええ、そうしましょうよ、おかあちゃん。せやな、うちらお残ししてもうたもんな。せやで、おかあちゃん、お残しはあかんわ。ゆうて、リカオさんとリベンジを計画しました。そして甘いものが好きであろうふとし子さん(ネッ友)を誘いました。「リカオと行こうと思っていますがふとし子さんもご一緒にどうですか?」ふとし子は聞いてもいないのに自分の休みの日をメールして来ました。やる気だ。この子は世界目指せる。そう思いました。3人のしがない派遣社員はオニクリームとイモやチーズの入ったオムレツを三人で分け合って食べました。この愛すべきナイーブ達のためにオムレツを三等分してさしあげましたら、急にリカオさんが「あっ、おかあちゃん放射能マークみたいになってるわ!」と叫びました。先日から意識の高い映画や書物を読んでいたせいか、とうとうわたくしの意識の高さはここまで、いや、この意識の高さはどこまで…!と驚愕しました。そんなこんなでオニクリームを平らげ店を後にし、表参道を逍遥としておりますと、どこらかともなくお香のかおりがしてまいりました。ふとし子さんはそのお香を購入されましたが、レジでもたついて傘を落としてしまいました。そして「ああ、ああ、」と言いながら自分のお股にそれを挟んだではありませんか。それはいかん。それはいかんよ。わたくしは慌ててその傘を奪い取り、「股はいかん。」と叱責しました。だってわたしたちは、東京のオフィスレディなのですから。おしゃれな街、オモティサンドゥにきているのですから。しかし帰り道、おしゃれなはずの街にヨコバイのような小さい虫が群れなして飛んでいました。あちらこちらで。リカオさんとふとし子さんは二人で「見えないはずのものが見え始めた。」「だんだん視界が黒くなりますよ。」「もう手遅れです。」など言いながらその虫たちを手で払っていました。そんな二人を見て、今度傘をお股に挟んだら、その時は許してやろう。そう思いました。