音楽は地球を救うかもしれないが一人のおんなをころすかもしれない。

ミュージシャンは(すべてではありませんが)「おしゃれ」「トリッキー」「サブカル」「アーティスト気質」のうちどれか一つがあれば近づいてくるかもしれない…。というような事を考えました。簡単に言うと普通っぽくない女性が好きなのです。いや、そうだ。そうに決まっている。あいつらはそういう女性を連れ歩くことで特別な人間だと思いたいのです!だから無意識のうちにそういう女を選ぶのだ。しかしそれはおまえの特別さではなく、あくまでその女が特別なだけである。いや、人を色眼鏡で見るのはよくない。よくないのでこの考えは撤回します。なかったことにします。さて、色眼鏡についてお話したいと思います。わたくしの職場に食貪さんという女性がいらっしゃるのですが、色眼鏡の色素率が半端ないです。合併相手への嫌悪感が強く、なんとしても向こうのやり方に合わせようとしません。わたくしはどちら側の人間でもないのでどっちゃでもええやんけ、はよ仕事すすめろや、と思うのですが長年働いてきた会社への愛社精神があるようで、断固ゆずりません。しかもそれを関係ないわたくしやお向かいさんにも同意させようとするのでたいそう困ります。「あんなやり方無駄じゃない?ねっ!イヤよねーー!」と誰もうんと言っていないのに反論しないのは同意とみなす、といった具合で勝手に鼻息荒くしています。そのメガネは強力なバンドか何かでとめてあるのですね。もしくは頭部に埋め込まれているとか?……!目が覚めた時には人気のない裏路地に倒れていた。どうしてこんな所にいるのか、なぜ倒れていたのか。そしてこの頭部に感じる鈍痛はなんだろう。食貪はゆっくりと立ち上がり光の見える方へ向かって歩き始めた。「お腹すいたわぁ…。ご飯少なめでルー多めのカレー食べたいわ…。カレー屋探さなくっちゃ。」地球外生命体に連れ去られ色眼鏡手術を施されたことなど知る由もなく、食貪はカレーを食べたら頭痛薬を買って家に帰ろうと考えていた。もはや誰にも外すことはできまい。