ボタンとロック。

先日電車でボタンを3つ開けているお兄さんをみかけました。行きかう人々はコートやマフラーしかいない、そんな寒い日だったのですが白いワイシャツの胸をはだけ、上に黒皮のハーフコートを来てツヤツヤの黒いごみ袋みたいな質感のピチパンツをはき、ゴッチゴチテカテカの赤茶色のブーツを装備していました。お胸が寒ないか?おばちゃん心配よ。きっとロックな兄ちゃんなんだろうなと思いました。
ロックはシャツのボタンを留めない。昔、ブランキージェットシティという、ねずみ顔のもじゃ頭くんとリーゼントのタトゥーマンと中村達也氏で結成された伝説のスリーピースバンドがあり、わたくしはそのロックバンドメンたちが好きだったので、BJCが載っている雑誌はほとんど買っていました。彼らがいい感じで写っているページをめくりながらいつもこう思ったものです。「ベンジーはボタンをとめない。」。大抵のフォトグラフでお胸をはだけていました。ボタンを3つ開けてた、いや4つだ、というよりも「1個しかとめてねぇ。まじか。」と驚きました。何ものにも縛られないぜ。今ではそういうことだと理解しています。しかし、ロックな人は概ねピチパンツをはいています。下半身はいいのか、下半身はピチっててもロックでいられるのか?きっと彼らはこう言うだろう。「下半身は縛られてるぜ、Babyオマエにな。」そういうことがロックなのか、そうなのか。ロックは難しい。