人はそれが奇跡であることに気付かない。

ブリューゲル版画の世界」を相方さんも行きたいと言うので連れ立って観てきました。夏休みなので家族連れが目立ちました。親に「これなにしてるとこ?」と言って一生懸命質問している子がちらほら見受けられましたが、ほとんどの子らは、鼻をほじって猿のような顔をしておどけてみたり、兄弟で小競り合いをして親につねられるなど、美術館での新たな楽しみ方を実行していたのでした。わたくしは自分のペースでゆっくり観ましたが、ふと相方さんを見やるとわたくしのペースに合わせてぼんやり眺めておりました。ああ、退屈したのじゃな。会場を出て売店に行くと、相方さんは一生懸命ポストカードを選びはじめ、「買うと?」と尋ねますと「さっき見たかわいいのがない。」と言われたので一緒に探してあげたらすぐ見つかり、どれがかわいいやつなんかいなと彼の手にしたカードを覗くと、鬼みたいな顔に羽が生えていて鼻に棒が刺さっているやつでした。10数年来の付き合いになりますが、成る程これをかわいいと思う人だからわたくしを嫁にもろうてくれたのだな、とやっと解せました。感謝の気持ちを忘れないようにしたいです。