されど仲良き。

And They Have Escaped the Weight of Darkness

And They Have Escaped the Weight of Darkness

ポストクラシカルの新鋭だそうです。アイスランドの人です。どうやらまだ20代の青年らしいのですが音楽はもう立派な大人です。専門家の方々からすれば、「いやいや、実に若者らしいタッチの曲調ですな。」と思われるかもしれませんが、わたくしにはそういうのはわかりませんし、むしろすっかり落ち着いた大人の曲といった印象でした。ピアノにほどよく電子音がからんで、まったくこれは悲しげな曲ばかりです。これからハッスルするぞ!という気分にはなりません。こういう曲が苦手な方からすると「おんなじ曲がずっと続いているような感じがして飽きる。」と感じられるそうですが、同じ人が作っているので、その人の傾向というのがどうしても出ますから、それは当たり前のことだと思うわけです。オフコースだって、どの曲も感じがとてもよく似ていますし、おおむね「君が、僕が、君が、僕が」と言っているのでざっくり言ったら同じ曲です。でもオフコースさんは嫌いではありません。わたくしがおこづかいで初めて買った邦楽のアルバム(当時はまだレコードかカセットテープでした)はオフコースさんでしたから。あの大人気のミスチルさんだって、わたくしのような者からしますと、全部同じ曲に聞こえます。歌詞を見ないと、にゃーにゃーべちゃべちゃ言ってなんて唸っているのかわからないからです。え?ああ、ミスチルさんは嫌いです。だからいいのです。人それぞれ、好みがあって。だからこそ商売が成り立つわけです。資本主義!いや、商売の話をしたいわけではなく、「君は君 我は我なり されど仲良き。」ということが言いたかったのです。子どもの頃は、このおっさんなに普通のこと言ってんだ?と思っていましたが、大人になったら実篤さんはなんていいことを言っていたのか、と考えるようになりました。この「されど仲良き」が大事なのです。それがぁ一番大事ぃーー。でもまだみつをさんの言葉には心が震えません。いや、震えることはないかもしれません。わたくしが震えない分、多くの人々が震えているからこれでいいのです。