ラテンアメリカ文学にまた挑戦!

砂の本 (ラテンアメリカの文学) (集英社文庫)

砂の本 (ラテンアメリカの文学) (集英社文庫)

再びラテンアメリカ文学に挑戦してみました。以前に挑戦した際、非常に難解で、でも面白かったのでまたやってみようと思い立ったわけです。で、結果、難解じゃなかった。ちょっと不思議な感覚というのはありましたが、なんだったら先にこっちを読んでからのほうがよりラテンアメリカ文学を堪能できたのでは?とも思った。短編集で、なおかつ話自体奇怪な展開などがないので初級編でいいかもしれない。あと、表題作の「砂の本」という短篇集と「汚辱の世界史」という歴史上の人物を扱った作品が一緒になっていて、一冊でいろんな作品を読んだ感を得られるのもなかなか良いと思います。
ある日「砂の本」を売っている男が「わたし」のところへやってきた。「わたし」がその本を開くと不思議なことが起こった。前のページに戻れない。同じページを開くことがどうやってもできない本。「わたし」はこの本を買い、この本のために外とのつながりを絶ってしまい……。本当に短い数ページのお話なのに、物凄く惹きつけられる。すごい。「汚辱の世界史」では何人かのアンチヒーローを取り上げているなかで、吉良上野介のことも書かれており、「不幸な役人」と言われていて面白いなぁと思った。