のに。

「他人と同じような幸せを信じていたのに。」と草野正宗氏が歌っていましたが、これは「のに」であるところがいいなと、ふと思いました。んま、それだけなんですけど。「けど」より「のに」の方がなんだか切なさがでるような気がします。「けど」だと言い訳がましいかんじがしなくもない。ましてや「〜いたのだが」や「〜いたというのに」ではもはや切なくもなければ、なんかおっさんくさくなってしまい台無しです。悲しさを増長したい時には「のに」を付ける。するとたちどころに涙が溢れ出すことでしょう。言い過ぎました。まあ、なんとなく悲しさが出るんじゃね?といったところでしょうか。
「私、ずっと一人で待ってたのに。」
「せっかく買ってきたのに。」
「ここにいるだけなのに。」
「今やろうと思ってたのに!」
「また!すぐそんなこと言って!あんたは片付けないでしょ!!」
「うるさいなーー!だからやろうと思ってたって言ってんジャン!」
「ノニジュース。」
話は変わりますが、ざきさんが同じ部署の男性社員に用事を頼まれ、その用事が人に頼むほどのものではなかったらしく怒りのあまり私にこのように訴えてきました。
「それくらい自分でやれっ!くせぇな!」
くせぇな、とは!よしんばくさかったとしましょうよ。しかし、今の怒りの根幹は「それくらい自分でやれ!」ということであって、そこに「くせぇな」と追加する必要はないわけで、あ、でも追加することによって憎憎しげな感じが強調されるのであれば、むしろこれは成功例なのか!?
「それくらい自分でやれっ!くせぇのに。」
ああ、憎憎しげでもあり、残念さも感じ取れます。いえ、そんな気がします。