小沼 丹はオトナだ

懐中時計 (講談社文芸文庫)

懐中時計 (講談社文芸文庫)

「懐中時計」はすばらしい。
心の描写が微細で、お子ちゃまにはわからんと思います。
なんちゅうことない日常を描いた短編集です。
主人公、大寺さんは妻を亡くすのですが、
この大きな出来事を、実に淡々と書いとります。
淡々としすぎてて、むしろ悲しさ倍増です。
その他にも、ちょっとクスッとするような話があったり、
バランスのいい作品です。
しつこいようですが、なんちゅうことない日々の集まりです。
でも、とにかくスッキリした文章ですので、
上質の作品を!!とお求めの方には、
そーとーオススメです。