鉢巻とカセットテープと私。

家族というのは家族を勘違いするものだなと思います。ポテトサラダは嫌いじゃないけど大好物でもないのに、なぜか母親が「あなたポテトサラダ好きだもんね!」的な勘違いをしていた。という友人の話があるのですが、似たような状況の思い込みエピソードはみなさんにも一つはあるだろうと思います。食べ物思い込みエピソード(以下、食べソード)は、たまたまその時にお腹が空いていてポテトサラダをお代わりして食べた、なぜかその頃母親がやたらポテトサラダを作って出すから食べていた等、限られた期間の出来事で勝手に大好物と判断されたかもしれないと想像できますが、好きな芸能人思い込みエピソード(芸ソード)は食べソードよりも原因が力技なので困ります。わたくしの芸ソードをお話したいと思いますが、みなさんは「あぶない刑事」というドラマをご存知でしょうか。あの伝説の、とても危ないデカたちのユニーク活劇です。わたくしは放送当時それを観ていたのですが、毎週観ていたというだけで兄が「ミキコフは柴田恭兵が好きなんだ!」と思い込んでしまいました。その為、兄の修学旅行のお土産が「柴田恭兵」と印刷されたショッキングピンクの鉢巻だったのです。「この鉢巻を、どないせいと、おにい。」わたくしは心の中でそうつぶやきました。しかし、ありがとうと言ってそっと押し入れにしまいこみました。今ではそれがどうなったか知る由もありません。また、「誇りの報酬」(中村雅俊根津甚八が出演)というドラマがあったのですが、これも同じような理由で兄と母に勘違いされていました。ある日、学校帰りの兄がレンタルCDを借りて来て、「これ、ダビングしといた。聴くやろ?」とわたくしにカセットテープをくれたのですが、中村雅俊のアルバムでした。「おにい、ワシ、聴きとうない。」わたくしははっきりと言いました。それを聞いた兄と母が「えっ!?そうなの!?」となったので大変驚きました。別に主演の役者が好きだから観る、という決まりはないはずですし、なんだったら勘違いするのが舘ひろし中条静夫根津甚八篠ひろ子でもよかったはずです。それなのに、なぜ、柴田恭兵中村雅俊とピンポイント思い込みになったのでしょうか。このように芸ソードは大変に厄介ですが、わたくしのおにいがとても妹思いだ、ということが証明できたのでそれはそれで良いことだったのかもしれません。I say only positive things!!